今日はわたしの更年期問題の話です。ちょっと暗くなってしまうけど、大事なことだと思うので、こちらに書かせてください。

 

東京からイギリス・オックスフォードへの移住後約10年ちょっと、経営コンサルタントとしてフルタイムの仕事(含む国内外出張)、心理学大学院でパートタイムの研究、ほぼ全ての家事を「うまく」「バランスをとりながら」やっていました。20代・30代は不死身だと思っていた自分の身体に次第にガタがきて、2020年に更年期症状を発生する頃には、心身の全てがボロボロになってしまい毎日生きた心地がしませんでした。

 

症状としては、身体的な痛み(頭、腰、足、肩、首)や機能異常(ホットフラッシュ、視力低下、認知機能・記憶力の異常な低下)などの身体的症状に加えて、躁鬱状態、激しいイライラからすぐ怒鳴る、すぐに涙が出る、眠れないなど精神的な苦痛がマックスで、自分で自分の身体と心がコントロールできなくなる、もうどうにもならない状態でした。

 

わたしはカトリック信者ですが、救いを求めて何人かの神父さんの元を訪ねました。そのうちの1人から聞いた話の中で、聖書の言葉に「神から与えられた体を粗末にしてはいけない。自分の体を粗末にすることは、神から与えられた命を粗末にすることである」というような一節がある、それについて何か思うところはないか?と聞かれたのです。

 

思わずその場で号泣しました。神父さんと2人きりだったので、そっとクリネックスボックスを持ってきてくださり、しばらく鼻をかみながらおいおい泣きました。


仕事・研究・自分・家族をどうやって並行してうまくこなすか、ではなく、明確な優先順位付けができていなかった。自分自身の心身の健康が、何よりも優先されるべきことだという当たり前のことに気づかなかったのです。そして、自分自身の健康は「こなす」ものではなく、毎日の小さな習慣づけによって「ノンネゴシアブル(絶対何があっても欠かせないもの)」として時間とスペースを確保しなければ、と思うようになりました。

 

自分の健康はノンネゴシアブル。人生の全てにおいて最優先事項。

 

こうして優先順位がはっきりすると、様々なことがはっきりし、意思決定がスムーズに進むようになりました。

 

①自分の命・健康・幸せは自分で責任を持って守る、と決める

②あらゆる面で周りのサポートを求め、恥ずかしいとか迷惑という気持ちを捨てる

③その上で自分ができること・治療法は全てやりまくり、うまくいかなくても「わたしには合わなかった、別の方法にしよう」と前向きに考える

 

まずは更年期のことを調べまくり、知識を増やしました。地元で信頼できるカウンセラー・オンラインコミュニティを探して、更年期について相談できる相手を確保しました。医療面での治療は、主に更年期のHRT(ホルモン代替療法)と腰のSpinal Stenosis(腰部脊柱管狭窄症)に対する骨髄ブロック注射及び術後の理学療法セラピーです。心の面では(Covidのため)オンラインで専任のカウンセラーをつけ、スコットランドのオンラインサポートグループに入り、それぞれ週1回ずつ話をする機会を設けるようにしました。西洋医療の限界を肌で感じ、あらゆる代替治療も試しました。中でもアロマセラピーと鍼(アキュパンクチャ)は(わたし個人にとっては)とても効果が大きかったように感じます。

 

長くなったので次回に続きます。

 

(近所の海辺の散歩道。辛い気持ちが写真にも現れている気がする?でもこんな雄大な景色を見ながら少しずつ癒されていくんですよね…。自然は偉大だなあ。)