前回の記事の続き。

 

(3)ライティング対策

 ライティングも基本は演習あるのみですが、最初に読んでおいてよかった良かった本がSuccess at Cambridge English: Proficiency Writing: Tips and guided practice for the CPE Writing testです。CPEライティングの出題形式が簡潔に説明されていて、各文章形式(レビュー、記事、報告文、学術エッセイ、手紙)に対してどのようにアプローチすべきか、ポイントが押さえてあります。初めてCPEのライティングに挑んだときは正直お手上げ状態でしたが、この本で基本中の基本をマスターしたうえで時間内に書ききる練習を積んでいけばある程度試験に慣れることはできました。「歯磨きするぐらいのノリで(?)英文を書く」をモットーに試験直前1、2ヶ月は集中的にライティング課題に取り組みました。パート1もパート2も実際にかかるであろう時間よりも短めにタイマーをセットして、内容が完璧な文章でなくてもいいので時間内に書ききる練習をします。後で見直しをすると必ずミスがあるので、本番でも見直す時間は確保します。

 パート2は、5つの問題のなかから1つを選択することができます。選択肢1~4は課題図書を読まなくてもいいという利点がある反面、どんなシチュエーションの問いが出てくるか分からない(しかも自分の想像で補う部分が多い)ので、時間的制約のなかで取り組むには案外ハイリスクです。敢えて書きにくそうな問いに挑戦して無理矢理にでも時間内に書き上げる練習もしました。

 これとは別に、良質な英文を書き写してマークしたり他の例文を書き込んだりする勉強もやりました。書き写す英文は、過去問のリーディング問題等で扱われている文章とかでもいいと思います。とにかくライティングで使えそうな表現が多くて、取り上げられやすいテーマ(環境問題、テクノロジー、教育、観光 etc.)に関する英文を写経するんです。漫然と書き写すのではなく、「自分ならこの単語やフレーズをどう使うか?」「辞書なしでこの単語を使えるところまで理解できているか?」といったことを意識し、もしイメージが湧かなければ辞書を引いて他の例文にもあたります。気に入った単語やフレーズは、辞書で見つけた例文や自作の例文とともに、別のノートに書き留めていました。

 

(4)ライティング対策(パート2の選択肢5)

 パート2の選択肢5は課題図書について文章を書くというものです。指定される本は普通の長編小説。一応映画版を観るだけでも答えられる質問になっていますが、一度映画を観た程度で答えられるほど単純な問題ばかりではなかったので、映画はあくまでもストーリーを掴むための補助教材と割り切ったほうがいいかしれません。

 本を読むのは一見遠回りだと思われるかもしれません。でも、何が出てくるか分からない選択肢1〜4と異なり、選択肢5は出題範囲が限定されるので対策はしやすいです。(わたしが試験で実際に選んだのはこっち。)わたしが読んだのはドーディー・スミスのI Capture the Castle。試験日の1年くらい前に小説を一通り読んで、映画も観ました。試験前にはオーディオブック版も聴いたので、2回は通読したことになります。

 しかし、読んだだけでは試験対策としては不十分です。そこで、実際にどんな問いが出るか思いつく限り予想して、それぞれの問いに対するアイデアを自分の言葉で書いてまとめておきます。作品について考える時のコツは「この作品において、○○はどんな役割や機能をもっているか?」というテンプレートに、作中のキャラクターやイベント、テーマなどを当てはめて考えることです。これは大学時代の恩師に教わった方法で、シンプルかつ汎用性が高いので今でもブログ記事を書く時に意識しています。例えばI Capture the Castleだと、「この作品の日記という形式はどんな機能を果たす?」→「カサンドラ(主人公)らしさがいちばん光る形式なんじゃない?」→「じゃあカサンドラらしさって何だろう?彼女ってどんな子?」みたいな感じで、考えているうちに新たな問いが浮かんだり、異なるテーマとの関連性が見つかったりしてくるんですね。そしてある程度考えがまとまったら、短めのエッセイを書いてみます。書いたエッセイを一枚の紙にまとめたものを見返したり、本番を意識して何も見ずにリライトするのもいいと思います。

 ここで大事なのはヤマをはることではなく、その作品について自分で考える時間をできるだけ沢山もつことです。実際の試験で使えるアイデアの材料を蓄えておくわけです。本番でこれらと同じ問いは出ませんでしたが、作中に登場するキャラやイベントについて書く練習は沢山していたので、あとは蓄えた素材を機械的に組み替えて作文するだけでした。

 有名どころの作品であればSparkNotesなどのスタディガイドを活用するのもいいと思います。私も作品について書かれたネット記事を読み漁り、写経もしましたが、それらが本番でも大いに役立ちました。

 

↑自分で書いた小エッセイをまとめたもの(視覚的に覚えるのが好きです)。試験会場入りするまで見直していた。

 

(5)スピーキング対策

 スピーキングは特に苦手で、実際の成績もあまりよくなかったので特に言えることはないのですが、話せるネタが多ければ多いほど有利であると感じました。ニュースを読むときなども、スピーキングを意識して「ネタ集め」と思って読んでみるといいかもしれません。対策としては、YouTubeにCPEのスピーキングのサンプル映像が2、3本あるので、それを自分が受しているつもりで実践していました。

 

以上です。もし読んでくださった方がいらっしゃたら、お付き合いいただきありがとうございました。そしてともに英語の勉強、頑張りましょう!