免許を取ったのは20歳の頃

彼との付き合いが2年を超えて ふと想像

結婚相手の実家が交通網のない場所だったら?

 弟の幼馴染 親同士も仲良しで

おばさんが介護の為に田舎暮らしに備えて教習所通い

あの時50歳を過ぎていて すごく大変だとよくぼやいていた

それが頭をよぎって 今しか無いなと

仕事を辞めて定期を買って1ヶ月教習所に入り浸り

 カリキュラムは上手く組まれていて学科の最短は2週間

実地の取りたい時間が噛み合わないのと試験で丸1ヶ月掛かる

無事に免許を取ってからOLに戻る

 

 ドライバー歴も長くなったけれど 趣味の運転

ごくたまにしか出掛けない 大概はスーパー

今は優良ドライバーなのも乗っていなかったから

 そして やらかした

曲がるのを忘れて遠回りで迷子になり つい寄り道

緑のおじさん(駐車監視員)にステッカーを貼られる

時間を見たら降りた直後 側にいたのだろう

雨が強くて気にしてなかった

 

 

 意気消沈

言い訳が頭を駆け巡る

駐車場が有料で離れていて

2人で寄り道の度に停めたけれど 運が良かったんだな

そう いつも 運が良かっただけなのに

それもきっと2人だからだったのだろう

 

 肩を落として用事を済ませ もう一件は諦めて帰宅

天井が迫ってきそうなほど 大きなため息をつきまくる

部屋着に着替えようと彼のジーンズをすぽんっと脱いだら

まさかのチャック全開!!!

弱り目に祟り目 泣きっ面に蜂 恥ずかしすぎる…

思わず笑ったら 瞬間 彼に申し訳なくなる

 

 営業で客先回りをする時 車を使うことも多く

3〜4年に1回くらい何かしらの違反をしていた彼

減点も仕事に差し障るし罰金が家計にのし掛かる

ガミガミと文句を言った自分が やらかした

ごめんね と言いながら 涙が出る

怒られて彼は「お小遣いから半分出すよ」と言っていた

彼が残した大事なお金なのに と思うと余計に泣ける

 

 何度も「ごめんね」と謝りながら 遺骨に目がいった時

にこにこした彼が「俺が出してやるよ」 と浮かんだ

お財布の中や定期入れに折り畳んだ “秘密のお金” を入れてて

彼がお小遣いから貯めていたへそくり

 今更ながら彼の言っていた事を そうだなと思う

私が怒って注意すると「俺はしない」と

思っても言わない よくそう言っていた

だから私を責めることは言わないだろう

それが解るから申し訳なくて泣ける

 

 自分のうるさいガミガミを反省しだしたらキリがない程

無限ループのように 何をしても泣けてくる

彼が笑いながら慰めてくれる姿も 本当にいるようで

どうしていないのかな…と寂しさに襲われる

 

 久しぶりの深海で溺れる感覚

自分で自分を引き揚げないといつまでも沈んでいる

夜が寝れなくて朝方寝て 朝は少し遅く慌てて起き出す

ぼーっとしてるからゴミ出しを忘れたり

何かにつけて涙が出て もやがかかったようにぼんやりと

自分を責める日々にはまり込んだ

 

 帰ってきた彼に「今日さぁ」とご飯を作りながら話しかけると

時計を外して携帯を充電器にセットする

捲し立てるように私が話すと

にこにこと笑いながら「運が悪かったね〜」

夕飯を食べながらそんな話をする日常が恋しい

そんな想像が止まらない

だからまた深海に沈んでいく

ぐったりするほど無限ループ

 

 やってしまったことは仕方がないと ようやく諦める

申し訳ない気持ちを 私のやらかしを 書いておこうと

タブレットに向かう

あんまりにもぼろぼろ泣いて なかなか終わらないまま数日

心に溜まったものは自分で思うよりも黒い玉だったよう

書いて吐き出すのは 這い上がる助けになっている

思うように進まないのが悩ましいところ

 

 今回のやらかしは 色々考えるきっかけになった

私は1人でやりきらないとと あらためて思う