すっかり伸び切った雑草 緑の壁状態

車のセンサーが反応してバックできない

除草剤を撒いてしまおうかと悩む 許可を取るべきか…

 

 外が騒がしい 待ちに待った芝刈りがスタートした

これで車の駐車もスムーズに出来る 良かった〜

 お花を買いに玄関を出ると 蝉がひっくり返っている

触れないから ごめんよ 見なかったことにする

スーパーまでの道 木にはたくさんの抜け殻と 鈴なりの蝉

幼虫は何時に土から出るんだろう と気になる

 

 戻ってくるとあちこち刈られて 青い草の匂いだ立ち込める

私の駐車スペースはまだか ポストからチラシを取り出し

階段を上がると 不意に視界に入る 緑色

 漫画なら頭の上に びっくりした時のマークが付く驚き

小さく「う”ぁー!」と声が出て 少しびくっとのけぞる

 

 大袈裟に10㎝と言いたいが およそ8㎝くらいのバッタ

中指くらいのサイズに見えた 触覚込みなら10㎝あるな

 芝刈りで住処を追われ飛んできたの?ここ3階だよ

お互いにジリジリと動く 触覚を動かすのが飛びそうで怖い

変な格好で最大限に距離をとり そっと横を通り階段を上がる

 

 鍵を開けながら 写真を撮ろうかとよぎる

彼がいたなら きっとそうした

タブレットを手に戻り バッタを撮影 LINEで送る

忙しくて絵文字を送り返すだろうな

 小さなバッタは駐車場でたまに見る あの大きさはびっくり

何故か よく育ったとうもろこしを連想した

 

 見せたい人がいないから 写真を撮ることもなくなり

未だ携帯の契約もせずじまい 急ぐ必要がない

毎日は相変わらずなのに 私に欠けた穴は じわりと広がる

 ひとりで と気負う気持ちと 心が連動しない

緑色のお客さまに 淋しい気持ちにされるなんて

 

 足に痒みが出て 窓を見る 私 網戸閉めたっけ? 

脛を掻きながら窓に行くと 網戸全開 ギャー!

部屋の明かりに誘われて 侵入を許したのか…

 この季節は苦手だ それに 彼の夏服 すごく暑い

部屋着の半ズボンもメッシュのTシャツも まとわりつく

サイズが大きいからか通気性の問題か 初めて知ったな

 

 またいつか 写真を撮る日々が戻るだろうか

もっとたくさん写真を撮れば良かった

頭に浮かんでる彼が 残せればいいのに

 絵心あったら 浮かんでる彼を残せるのに 残念 全くない

だから薄れていけるのかな 薄れるのが怖いけど

 

 蝉の幼虫は夕方から出てくるらしい

彼と見たいと言ってたまま 一緒に見なかったな