夜に鳴った電話から倒れずに今日までやってきた

風邪を引いて見事にメンタルが限界だと気付いたけれど

ごはんを食べてちょっとだけ元気が出た のに 夢を見た

鏡に映った頭頂部が手のひら大で髪が抜け落ちていて

知り合いと話をしつつ 髪をアップにして誤魔化そうと必死

というホラー すっかり寝坊して目が覚めた

昼間 換毛期の猫がブラッシングで分身の動画を観たせいか

それも原因かな

 

 ある日突然 誰でもおかしくない事が自分に起きた

どうして良いかわかるはずもない

みんなが掛ける言葉は“呪文”のようで腹立たしいだけ

1人で居たいと望んだけれど 1人はとてつもなく辛かった

あの時は分からなかった どうして1人になりたかったのか

励ます言葉が 何も聞きたくなかった そんな気がする

 眠れないからネットの世界に没頭して

どこかに“魔法の言葉”は無いのかと

探している自分が何を探しているのかも分からないから

結局は見つからず

それでもひたすらに読み漁った

読む事で脳をいっぱいにして疲弊させたかった

 義母は「皆んな通ってきた 同じよ」先輩風を吹かすけど

あの時の義母は64歳 手続きは全て丸投げ 家から出ない

徒歩5分の叔母が暫く同居して 家事も一切やらずに生活

義父に掛けてた生命保険が入るからと仕事を辞めて

困るたびに娘と息子に泣きつけたし

一人暮らしをしたのは1〜2ヶ月で 結局 叔母親子と同居した

 義妹は52歳で娘さんが21歳の時 ご主人が他界

会社の人が手続きをしてくれて困らなかったと話してて

義妹もまた「平気よー 皆んな乗り越えたから」と言う

「役所回りは娘として助かったし 家にいるのは辛いから」と

葬儀後1週間で職場復帰したと話していた

 私には何も無かった 手続きを手伝ってくれる人も

子供も仕事も 忙しくて気のまぎれる状況も

彼のいない世界が辛いのは勿論だけれど

1人が不安だったわけではない いや 不安は漠然とあったか

あの時の私は 生きる意味を探してた気がする

彼のいない世界で生きる意味

 死にたかった訳ではない

彼と旅行をしてた時 事故で一緒にがいいな と思っていた

飛行機の 電車の 旅先でのアクシデント

一緒だったら寂しくない そんな理由で漠然と

彼が1人で旅立って 一緒だったらと泣いたのはあの日だけ

泣いても挫けても手続きをやり切る だから生きる意味

 毎日一緒に暮らしててどうして気づかなかったんだろう

私は何をしてたんだろう 後悔と自分への嫌悪が膨らみ

泣く資格がないように 辛いのも自業自得とさえ思った

頼りたい甘えたいと思うのを 1人でやると奔走したのも

自分を罰したいような感覚があったのかもしれない

世界中敵くらい腹立たしかったからだけかもしれないけれど

 呪文のようなお悔やみや励ましに 思春期並みの反抗心で

言われるたびに「だから?」「何で?」と言いそうな

心はイライラとして どうしても“違う”と思ってしまう

子供の居る義母や義妹に 心の支えで 生きる意味でしょ と

いつだって彼が世界中でただ1人の味方だったから

失った大きな穴が自分のことも飲み込む勢いだった 

 同じような境遇の人の体験談を探したり

私は自分でもよくわからない漠然とした救いを求めて

知りたかったんだと思う 

お悔やみや励ましの言葉が「そうだな」と思える方法を

いつかそんな日が来る いつかはどれ位なのか

苦しみから抜けられる日はどれくらい先なのか

辛くて沈んで行くのに底がないから それが怖かった

 

 この世界が怖いって初めて思った

1人で立ち向かう事は心細くて不安

本当なら社会人になるタイミングで経験するのかもしれない

生きる事に希望があると心強いこと

その為の方法を探すのもある意味 希望 

 心が折れて病んだ時 彼が支えて戻してくれたけど

2度目は簡単じゃないから 折れるわけにはいかない

だから知りたかった 抜け出す為の時間と方法を

残念ながら誰も教えてはくれなかったし

ネットの中にも見つからなかった

もう一度病みそうでそれだけが怖かった

 この頃思うのは 答えは単純 だったのかと

自分で散々口にした「違うから」 違うんだ

同じような境遇でも同じではなく

些細な違いは別物くらいの乖離

子供が居ても居なくても心の支えがあってもなくても

全部まるで違って 違っても違わなくても 関係ない

地球は回り続けて太陽は朝しか出ないが事実なように

 明確に答えるなら

抜け出せる 時間は個人差 方法は“あるけど千差万別“

だから参考にならない 

それでも知りたい 苦しいから 誰かに 何かに 縋りたい

そして結果的にお悔やみや励ましの言葉通りに思う

陳腐に聞こえるのにこれが本当のこと

 私が声を掛ける側になったなら 何を言うだろう

何も言わずに側に居るかな 少し経ってから

自分を責めるけど同じだよ しないと進まない

気持ちが変化する時間があって変わるよ と

痩せこけて帰宅する彼の夢を見て 

お互いに辛い時間だったと思えて 少し気持ちが変わった と

 何に救われるか 何を希望と思うか 考え方も性格も

何もかもが違うけど ひとつだけ 誰かじゃなく 自分

誰かが助けてくれる訳ではなく 自分な気がする

自分が思ったり気付いたりする事で抜け出すような気がする

そのきっかけがそれぞれに違うから正解がない

 抜け出したと思う日まで ジタバタともがくのが

今日の私の出来る事 ひたすらに今日を積み重ねる

頑張らない程度に