突然鳴る娘からの電話。電話口からこだまする娘の鳴き声。
少し狼狽しながら「どうしたの?」と私は尋ねる。
「弟が私のメロンゼリー全部食べたぁ!」
それは夕食宅配のキャンペーンでもらったメロンゼリー。
以前家族で行った北海道旅行で食べたのと同じメロンゼリー。
子供たちはとても気に入って、いつも取り合いになってたメロンゼリー。
冷やしたほうがおいしいからと冷蔵庫に入れ、きちんと2人分ビニール袋に取り分けて
仲良く食べるように言いつけておいたのに。
やっぱり大好物を前に仲良くできなかった2人。
娘は反抗期の真っ最中。
部屋をのぞくと扉を閉められ、何か注意すると必ず「うるせー」と返ってくる。
そのくせベッドでスマホをいじっていると、ふいに上に乗っかって甘えてきたりする。
思春期の大人と子供の狭間で揺れ動きながら、容赦なく成長していく娘。
そんな娘もメロンゼリーの前では1人の少女に過ぎない。
弟に食べられたら泣きながら親に電話して助けを求めるのだ。
「わかったよ。新しく買ってあげるから今度は取られるなよ?」
途端に泣き止み、元気に「うん。」とうなずく。
あれ?ひょっとして女の計算なのか?初めから買ってもらおうと泣きながらの電話?
子供なのか大人なのか、娘の成長が嬉しくもあり、悲しくもあり。
でもそのメロンゼリー、また冷蔵庫に入れておくと食べられてしまうと思うのだが…