国三さんの事を考えていた小藤次さん、
風呂場の戸が開く音で目を開きます![]()
今日は、市村座の芝居見物の日![]()
お風呂屋さんの方が、小藤次さんの体を丁寧にこすってくれました。
体を流し湯船に向かうと、久慈屋の船頭・喜多造さんがおりました。
なにやら疲れた顔をしております。
喜多造さんによると…
国三さんは水戸の久慈屋の本家に預けられ、
紙漉きの下働きから勤め直す事になったそうです。
久慈屋の跡継ぎとなる浩介さんが自ら付き添いを希望し、
国三さんは今から1時間ほど前に旅立ったそうです。
喜多造さんはどうやら途中まで舟で送って行ったようです。
国三さん、久慈屋さんに戻ってこられるといいですね![]()
銭湯でさっぱりした小藤次さんが長屋に戻ると、
赤穂藩の古田寿三郎さんがまっておりました。
古田さん、小藤次さんのさっぱりした顔を見て珍しげ![]()
芝居見物と気づいて、迂闊だったと言います。
そこにお茶を運んできたおとなりのおきみさん、
「お侍さんさ、今日は酔いどれの旦那にとって一世一代の晴れ舞台。
それを前に、あんまり面倒な話を持ち込まないでおくれ。」
と釘を刺します![]()
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古田さんの調べによると、小藤次さんを襲った「桐村」と言う人物は、
赤穂藩探題目付・倉前波卿さんの家来でした。
探題目付は新しく設けられた役職だそうなのですが、
もともと目付職と言うのがあり、それだけで不自由はしません。
特に不正がはびこっているわけでもなく、
探題目付はたいした手柄も立てられないところに、
重臣からもいやみを言われる始末…
江戸に来て小藤次さんの名前が有名になっているのを知り、
なんとしてでも小藤次さんに一泡吹かせ、赤穂の名を高め、
藩内で探題目付を不動のものにする魂胆です![]()
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う~ん、小藤次さんにとっては迷惑な話…自分勝手だもの![]()
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もしかしたら今日の芝居に影響が出るかも…
古田さん、倉前さんたちの行動を調べに長屋を出て行きました。
さて、おりょうさんの勤務先・水野家で着替えを済ませた小藤次さん、
今日は馬子にも衣装
で立派におめかし完成![]()
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おりょうさんの、水野家の奥様・登季様の駕籠に小藤次さんも従い、
いよいよ市村座へと向かいます。
途中、久慈屋さんの前で景気付けのお酒を頂きます。
もちろん大杯で
4,5升は入る大杯で![]()
もちろん4,5升を一気飲みで![]()
この姿に見物の皆さん大盛り上がり![]()
残ったお酒は皆さんに振舞われるようです。
見物人が大勢集まる中を小藤次さん一行は進んでいきます。
と、古田さんが小藤次さんに歩み寄り、肩をならべて歩き始めました。
探題目付の倉前さん、江戸では海産物商の播州屋さんが
金主だったようです。
倉前さんは江戸藩邸の実権、播州屋さんは御用達の地位を狙ってます![]()
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この播州屋さんが、今日の市村座の枡席をいくつか買い占めているようです。
古田さんは苦しそうな表情…![]()
「倉前波卿は赤目小藤次様の真の恐ろしさを知りませぬ。
もし市村座で事が起こり、赤穂藩の名が出るようなことがあれば、
赤穂藩は終わりにございます。
赤目様、倉前一味を赤穂藩と関わりなき人物として
始末して下され。お願い申す。」
と小藤次さんに頼み込みます。
「重臣らがそなたに願うたか。」
「いえ、忠敬様が直々に。」
「都合がよいとはこのことよ。」
「お頼み申します。」
とう言うと古田さんは小藤次さんから離れていきました。
次回へ続く![]()
