お得意様、曲物師の万作親方の元へ向かうと、
息子の太郎吉くんがお出迎え。
どうやら誘拐された娘が戻ってきた話は、
このあたりにも伝わっているようですが、
太郎吉くんはそれを解決したのが小藤次さんとは知らない様子。
「無事に帰されたのであれば、めでたしめでたしではないか。」
ととぼけた小藤次さん
経師屋の安兵衛親方の家で仕事をもらい、
暑さを避けて橋下にとめた小舟の中で研ぎ仕事にせいを出します。
どれほどの時間が過ぎたか、
「赤目様!」
といううづちゃんの叫び声が響きました。
これに太郎吉くんもびっくりして飛び出してきます![]()
![]()
「うづさん、どうした、なにがあった!」
太郎吉くんはうづちゃんの舟を橋下で止めます。
「慌ててどうしたんだ、うづさんよ。」
「太郎吉さん、知っているの。」
「なにを」
「越後屋のおなつちゃんを取り戻したのは
赤目様だったことをよ。」
「なんだって。」
ようやくここで小藤次さんのお手柄発覚![]()
![]()
うづちゃんと太郎吉くんが小藤次さんを責め立てます。
それを見ていた万作親方、
「太郎吉、うづさん、そこが赤目小藤次様の奥ゆかしいところよ。」
と言います。
太郎吉くんに聞かれて事件の顛末を話していると、
笛や太鼓の音が響いてきました![]()
と鳶の衆が乗った舟の中に羽織袴の人物が。
どうやらこの方がケチで有名な越後屋の大旦那様のようです![]()
「赤目様にお礼言上に見えたのよ。」
「あのけちがか。」
万作親方、思わず本音をポロリ![]()
![]()
「赤目小藤次様にございましょうか。」
と舟に正座して小藤次さんに言いかける越後屋さん。
お礼の言葉を述べた後、
「これはほんの気持ちです。
赤目様、些少にございますがお納め下さい。」
と三方を恭しく差し出します。
遠慮する小藤次さんですが、太郎吉くんに促されて受け取った包み…
くしゃくしゃの奉書紙で包んである何か…
くしゃくしゃ…くしゃくしゃ…お礼なのにくしゃくしゃ…![]()
「赤目様、それで宜しゅうございます。」
と自ら三本締めをした越後屋さんの舟が帰っていきました。
「驚いたぜ。舌を出すのも嫌だというあの大旦那が
金包みを持参したなんてよ。」
とつぶやいた太郎吉さん、
「赤目様、ちょいとその包み、調べさせてもらっていいかえ。
贋金かもしれないからな。」
越後屋さんどんだけ信用ないの…![]()
![]()
と包みを開けた太郎吉さんびっくり![]()
![]()
孫娘を助け出した御礼にしては激
激
激安の1朱が、
書き古しの紙に包まれておりました![]()
![]()
この話は怒りの収まらない太郎吉くんによって、
近所の方々に知れ渡ります![]()
![]()
越後屋さんの1朱はよそ様の百両分だとか…![]()
あちこちで好き勝手言われている越後屋さんですね![]()
安兵衛親方の研ぎ仕事を終えた小藤次さん、お酒をご馳走になった後![]()
駿太郎くんを迎えに久慈屋さんへと向かいました。
次回へ続く![]()
- 杜若艶姿〈新装版〉―酔いどれ小籐次留書 (幻冬舎文庫)/佐伯 泰英
- ¥630
- Amazon.co.jp