おりょうさんの手紙はこうはじまりました![]()
「おりょうは今日に参ります。
畠山頼近様の嫁になります。
思い起こせば赤目様と色々と
御付き合いがございましたな。」
そして駿太郎くんと過した日々への
お礼が書かれておりました。
おりょうさんの書いた文ではありますが、
おりょうさんの本当の気持ちではありません。
もちろん
妖術でしょう・・・![]()
わかってはいても、小藤次さん、
なんだか寂しい気持ちが広がり、
打ちのめされた気分になっております。
小藤次さんはこの手紙を燃やしました![]()
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おりょうさんが本当に幸せになれるのなら、
どんなことでも耐えることが出来るのですが、
怪しい畠山様と一緒にさせるわけにはいきません![]()
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だって妖術使う上に、偽者だもの・・・![]()
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小藤次さんの胸は怒りで満ちております![]()
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小藤次さんはおりょうさんの匂い袋を手に掴み、
「おりょう様、必ずや助けに参りますぞ。」
そう言いました。
時間は午前0時![]()
小藤次さん、気持ちを鎮めるために刀研ぎ。
夜明け前に、ちょっと寝ていたところを、
駿太郎くんの泣き声に起こされます。
この日はお隣の勝五郎さんと朝湯![]()
駿太郎くんはおきみさんが入れてくれてます。
さて世間話の後、勝五郎さんが、
「昨年はよ、おれの仕事がさ、だいぶ増えたと思わねえか。」
と小藤次さんに顔を向けました。
勝五郎さんの仕事は、瓦版の版木彫り。
今で言えば・・・う~ん、新聞を印刷するために、
版木に手で文字を彫っていくお仕事かな。
で、その理由は、別にネタが増えたわけでも、
勝五郎さんの仕事の出来でもない様子。
実は、勝五郎さん家の隣に、
御鑓拝借の英雄・小藤次さんが住んでいることを、
読売屋が版木屋から聞きつけたようなのです。
※ 読売屋はネタを仕入れて読売を作り販売。
読みながら売っていたので「読売」
版木屋は、読売の元になる版木を作るところ。
勝五郎さんは下請けですね。
で、小藤次さんのことを書くと売れ行きがいいので、
ネタを仕入れて欲しい、歩合でお金を稼がせるから・・・
と甘い声をかけているようです![]()
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勝五郎さんに、お金で小藤次さんの噂を売る気はないのですが、
版木屋さんから仕事のたびに何かないかと責められると・・・![]()
しばらく考えこむ小藤次さん。
と、上機嫌の駿太郎くんの声が聞こえてきます![]()
(あの歳から裸の女らに取り囲まれて上機嫌のようでは
先行きが案じられるわ)
そんなことを考えていると、
「旦那、怒ったか。」
と勝五郎さんが不安そうに聞きます![]()
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「勝五郎どの、三が日が開けたら版木屋に行きなされ。」
と小藤次さんがにっこり![]()
どうやら畠山頼近様のことを書いてもらうつもりのようです![]()
「ありがてえが旦那に迷惑がかからねえか。」
「すでに迷惑のかけられっ放しだ。構うものか。」
なにたくらんでるの、小藤次さん・・・![]()
これを聞いた勝五郎さん、元気が出てきた![]()
小藤次さんをせかして湯から上がり、
小藤次さんにネタの元を書かせます![]()
畠山頼近様がニセ者で、山城祭文衆という
怪しげな一団を率いて江戸入りし、
幕閣に不穏なたくらみを起こそうとしていること、
幕府に何らかの恨みをもっていること、
などを箇条書きにして書きました。
勝五郎さん、それを持って読売屋へと出かけました![]()
次回へ続く![]()