新年を迎えての午後2時。
小藤次さんは重く苦しい気持ちを胸に歩いておりました![]()
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そして込み上げる怒りを抑えきれません![]()
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「おりょう様。」
小さな声でそう呼びます。
さて、道の途中に馬場があり、その向こうには
大溜と呼ばれる池が月明かりに光っていました![]()
その溜池からもやが漂い辺りに広がります。
そして小藤次さんの怒りをあおるように、
馬場に明かりが浮かび、白衣が走り回りました・・・
畠山様のお仲間のようですね・・・
「おのれ、赤目小藤次の気持ちを逆なでしおるか。」
小藤次さん、誘いと分っていて、馬場へ向かいます。
さて馬場には白衣に烏帽子、そして槍や弓を持った方々、
その数30人ほど・・・
しかし、今日の小藤次さん、いつもとちょっと違います![]()
大事な
大事な
おりょうさんを、妖術にかけて
連れて行った畠山様とおかしな仲間たちを、
許せるわけがありません![]()
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いつものように竹とんぼを飛ばして1人を倒すと、
そこからはもうまるで鬼のよう![]()
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おりょうさんを失った哀しみの様な、
怒りのような感情なのです。
向かってくる相手をいつにないくらい容赦なく倒していきます。
リーダー格の男の首を取り、巨漢の男を斬り倒すと、
白衣の男達は後退していきます。
「逃げるか。」
と小藤次さんが土手を駆け上がり見ると、
畠山様が白馬にまたがり、おりょう様らしき女性を乗せ、
馬場から溜池の方へと走って行こうとしておりました![]()
「おりょう様!」
小藤次さんは悲痛な叫びをあげ、走ります![]()
畠山様は、白馬を見事に操り溜池を渡りきりました。
小藤次さんも走って追いかけ、舟で渡ろうとしますが、
残念・・・
畠山様とおりょうさんを乗せた白馬は、
日吉山王大権現の社地へと姿を消しました。
小藤次さんは力の抜けた体で、
「おりょう様。」
とつぶやきます・・・![]()
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重い足取りで長屋へ帰ると、明かりがついております。
殺気は感じられないようなので、戸を開けると、
そこには老中・青山様の配下のおしんさんと中田新八さん、
そして見知らぬお侍さんが座っておりました。
どうやら3人は畠山様のことについて、
小藤次さんを尋ねたようです。
小藤次さんが、さっきの一件を話すと、
「おのれ、カブキ衆めが。」
とお侍さんが吐き捨てるように言います。
この方「麻野義蔵」さん、京都でのお勤めを終え、
江戸に戻ったばかりです。
この麻野さんのお話・・・皆さんびっくりしますよ![]()
この麻野さん、畠山様の実父・三条宮中納言禎布留様の
生前を知っていて、三条宮家にも出入りを許されていて、
頼近様が畠山家に婿入りする時に本人を見送っておりました。
で、麻野さんが知っている畠山様の特徴は・・・
「体付きは小柄で丸顔、人柄の優しい公卿の血筋。」
で、おりょうさんが言っていた畠山様の特徴は・・・
「年齢31歳、独身。背が高いイケメンで、お城でも威勢あり。」
ん
前者はほんわか系
だけど、
後者はシャープ系
しかも怪しげなオーラあり![]()
そう
別人だというのです・・・![]()
麻野さんも、江戸で畠山様をみてびっくり![]()
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しかも頼近様の実家三条宮家は、
清廉な家系で、怪しげな振る舞いの人はいないそうな・・・
別人だ・・・絶対別人だよ・・・![]()
だって妖術使うんだもん![]()
そして麻野さんは、ニセ畠山様について、
思い当たることを話し始めました。
次回へ続く![]()