さて、お夕飯のあと、小藤次さんは研ぎ仕事をはじめます。
集中して仕事をして気がつくと午前2時![]()
駿太郎くんの泣き声が遠くから聞こえてきます。
小藤次さんは手を止めて駿太郎くんのことを
思いやります。
すると、なにかに怯えたように犬が吠えました![]()
同時に小藤次さんは殺気を感じます![]()
でも小藤次さんは薄い笑みを浮かべて、
そのまま仕事を続けます。
しばらくすると、犬の悲鳴が上がり、
そして絶叫が聞こえたあと、再び静かになりました・・・
そして「どさり」という何か投げつけられた音が・・・
小藤次さんは刀を腰に差し、竹とんぼをつかみ、
潜り戸から表へ顔を突き出しました。
すると、外には無残な犬の首が・・・
小藤次さんが表へ出ると、
芝口橋の欄干の飾りの上に烏帽子姿の
男4人が片足立ちで立っていました。
そのうちの1人は首のない犬の胴体を、
手に持っております・・・
橋の真ん中に一際背の高い男が・・・
この方が噂の畠山様![]()
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「畠山頼近か。」
「麿の名を承知におじゃるか。」
「怪しげな出自よのう。」
「赤目小藤次、近々増上慢の鼻をな、
麿がへし折りに参ろうぞ。楽しみにしておじゃれ。」
お公家様でおじゃるね・・・![]()
小藤次さんが、
「夜中に悪戯をなし、この小藤次に警告に参ったか。」
と問いますが、返事はありません。
と烏帽子姿の男が1人攻撃を仕掛けてきます。
しかし、小藤次さんの鋭く削られた竹とんぼの羽が
男の脛を斬り割り、堀へと落ちていきました。
小藤次さんが目をつぶり手を合わせます。
そして再び目を開けたとき、畠山様を始め他の皆さんは
姿を消しておりました。
この夜、小藤次さんは午前3時まで仕事を続け、
その後で眠りにつきました。
さて、次の日も、久慈屋さんで刃物研ぎ。
久慈屋さんと京屋喜平さんの刃物が残っております。
昼下がりからは、手代の浩介さんが、
「赤目様の手並みを教えて下さい。」
と、小藤次さんの側で自分の道具の研ぎをはじめました。
なんだか浩介さんには悩みがありそう・・・![]()
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浩介さんは久慈屋のご主人・昌右衛門さんの娘・おやえさんと
結婚することが決まっておりました。
となると、浩介さんはいずれ久慈屋の旦那様となるわけです。
その重圧・・・も悩みですが、もう一つ。
そのおやえさんと気持ちが通じているのか、
お互いに確かめられないでいるようです・・・![]()
そんな浩介さんに小藤次さんはあるものを渡します。
それは古い竹で作られたかんざし![]()
古竹の飴色と節目が美しい縞模様になっていて、
もちろん小藤次さんの作ったものです。
「浩介さん、これをおやえさんに後で届けてくれぬか。
年の瀬のご挨拶と申してな。」
そしてこう付け加えます。
「おやえ様にな、心に思い迷うことあらば、
浩介どのを赤目小藤次の代理人と思い、
正直話されよとな。」
う~ん、小藤次さんにくいっ![]()
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恋のキューピッド・小藤次さんですね![]()
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不安そうな浩介さんに、
「簪が互いの気持ちを仲介してくれよう。
よいな、そなたも正直に胸の中の迷いを
おやえさんに訴えなされ。二人の間のことだ、
恰好も遠慮もいらぬ、忌憚のう話をすることが肝心なことじゃぞ。」
そういうと浩介さんは決心したように、
刃物の研ぎに向き合いました。
小藤次さん、恋の道も極めているような感じ・・・![]()
次回へ続く![]()