さて、今度は久慈屋の観右衛門さんから小藤次さんにお願い事。
どうやら小藤次さんの開発した行灯の評判がよいようで、
またまた水戸藩から春ごろにお招きしたいとの要請がありました。
さらに新しいものを工夫したいので
小藤次さんの力を借りたいというわけです。
小藤次さんどこでもひっぱりだこだね、
探偵に行灯作りに研ぎ仕事・・・なんでも屋・小藤次さん![]()
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水戸には駿太郎くんを連れて行きたい様子で、
それを観右衛門さんに聞くと、
「他人様なれば御三家水戸様のこと、一喝なされましょう。
ですが、天下無敵の酔いどれ小藤次様に
駄目だと言えるものですか。
駿太郎ちゃんは養子とは申せ、立派な倅です。
父子で道中してだれに文句を言わせましょうか。」
どうやら観右衛門さんの口ぶりだと、
駿太郎くんのことは相談済みのようですね![]()
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お話も済んだようで、久慈屋さんの道具と
お隣・京屋喜平さんの道具をお預かりして
徹夜で仕事をする事にしました。
女中のおまつさんからお夕飯とお酒までいただいちゃって、
大荷物![]()
・・・と最近舟の漕ぎ方を覚えて
うずうずしている小僧の国三さんが
家まで舟で送ってくれることになりました。
さてさてその途中、なにやら国三さんは
小藤次さんになぞなぞのように話しかけます![]()
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「赤目様、大番頭さんと水戸に行かれるのですね。」
「駿太郎ちゃんも一緒でしょう。」
「赤目様駿太郎ちゃんを連れていくなら、
お守りが要りますよ。」
「水戸様の作事場に駿太郎ちゃんを連れてはいけませんよ。
だって御三家の御城ですよ。」
小藤次さん、国三さんがなにを考えているのかといぶかしげ・・・![]()
「国三さんや、話がちと遠回りじゃな。」
「だからさ、お供に私を連れていって下さいな。
赤目様が大番頭さんにさ、掛け合って下さい。」
そういうことだったのね、国三さん
小藤次さんもようやく納得。
どうやら国三さんの話では、いつも一緒に行く
手代の浩介さんがお供なのですが、
今回は行くことが出来ないというのです。
その訳は・・・浩介さん、
どうやら久慈屋のお嬢様・おやえさんと
結婚するかもしれないということで![]()
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水戸に従っている暇はないようです。
確かにいつも大事な御用にお供するのは浩介さん。
久慈屋の旦那様を始め、信頼が絶大のようです![]()
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浩介さんが行けないから、ぜひとも自分が行きたい、
だから小藤次さんに一言口ぞえしてもらおうという
国三さんの作戦のようですね。
確かに強力な味方だ![]()
さて、長屋では久しぶりに駿太郎くんが帰ってきた
ということで長屋の皆さんが顔を出しました。
隣のおきみさんと大家のお麻さんが
駿太郎くんに湯浴みをさせてくれます![]()
女性陣が湯浴みをしている隣で、
小藤次さんと勝五郎さんの男性陣は一杯やっております![]()
と、いつも駿太郎くんの貰い乳をしているおせつさんが
長屋まで来てくれました。
いつでも駿太郎くんを預るというおせつさんに、
小藤次さんはお守りをする代わりに、
子守賃を貰って欲しいと言います。
「なんだ、そんなことか。
長屋の住人同士でそんな話はねえぜ。
銭が欲しくて乳をやる女なんてこの界隈にはいねえよ。」
と勝五郎さんが言い切ります。
でもおせつさんの家の内情を知っているのか、お麻さんは
「赤目様の申し出、失礼ながら双方にとって
大変よいことだと思います。」
とこちらも言い切ります。
どこの長屋の皆さんも本当に心根のよい方ばかりですね。
さて、お風呂にも入りお腹もいっぱいになって
気持ちよさそうに眠り込む
駿太郎くんの側で、
まずは小藤次さんも腹ごしらえ。
満腹になったらいよいよ研ぎ仕事開始です。
午前2時頃まで仕事に没頭し、
夜泣きした駿太郎くんのおしめを替えて寝かせた後、
とりあえず仕事は明日にまわすことにしました。
徳利に残ったお酒を飲み干して、トイレへ・・・
と外へ出た小藤次さん。苛立つような殺気を感じます![]()
しかし攻撃を仕掛けてくる様子はありません。
長屋を見回してもどこにいるかはっきりしません。
ということは相手に襲う気持ちがないということ。
(ならば放念することだ。)
そう自分に言い聞かせ、ゆっくりと長屋に戻りました。
すると開けっ放しにしていた戸口に訪問者のかすかな残り香が・・・
駿太郎くんは無事のようです。
中に入ると上がり框に折り鶴一羽が残されていました。
開いてみると中には流れるような女文字で
「ごようじん、北村おりょうにごようじん
いのちおしくばよけいなおせっかいむようむよう」
と書かれておりました。
「要らざることを。」
そう言って小藤次さんはその紙を燃やします。
そして小藤次さんは駿太郎くんの側に横になると眠りに就きました。
次回へ続く![]()