なかなか寝付かない駿太郎くんを、
お夕ちゃんが背負って上手にあやしてくれています![]()
と、お麻さんが、
「赤目様、夕暮れ前、御汁の実の豆腐を買いに
通りに出たと思って。」と話し始めました。
お麻さんが豆腐屋さんに聞いたところによると、
赤目小藤次という人物がこのあたりに住んでいないか、
そこに子供がいるか、
と聞いて回る武家の女性がいるそうなのです。
その方の年齢は40歳前後、
どうやら駿太郎くんのお母さんではなさそうです。
となると、お母さんのお付の人かな。
お豆腐屋さんは適当にごまかしたそうなのですが、
何人かに聞けば、すぐばれちゃいますね![]()
お母さんが現れれば、駿太郎くんにとっては幸せなこと。
でも小藤次さんは何となく寂しい気分になるのです![]()
お夕ちゃんに背負われていた駿太郎くんは、
ようやく寝てくれたようです![]()
今日も小藤次さんは、畳屋の梅五郎親方のところで
お仕事のため、舟で出発。
駿太郎くんは籠の中ですやすや眠っております![]()
「そなた、おっ母さんに会いたいか。」
この言葉は駿太郎くんではなく、
小藤次さんが自分に言ったものでした。
駿太郎くんがお母さんの元に行ってしまえば、
小藤次さんはまた1人暮らし・・・
なんだかそれがしっくりこないのです。
なんだかもう父親のようですね小藤次さん![]()
そんな弱気な自分を励ますように、
ほっぺをバンバンと叩いて気合を入れます![]()
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駿太郎くんを奥さん達に預けて、
小藤次さんが仕事を始めようと桶に水を汲んで戻ると、
梅五郎さんが、浪人さんとお話していました。
お年は40歳くらい、浪人暮らしが長いようですね。
お名前は「稲村右源太」さん。
どうやら小藤次さんに刀の研ぎをお願いに来たようです。
しかし、小藤次さんが研いだ刀を見て、
稲村さんは研ぎを頼むのを辞めると言い出します。
「稲村様、赤目様では不足ですかえ。」
梅五郎さんが不満そうに聞くと、
「隠居。誤解をせんでくれ。赤目様の研ぎは
孫六兼元(小藤次さんの刀。立派なものです)に
匹敵するお仕事と申したぞ。
わが鈍らのがたくり丸を頼むことなど適わぬ。」
がたくり丸・・・って![]()
孫六兼元 VS がたくり丸・・・う~ん勝負あり![]()
「お待ちあれ。」
今度は小藤次さんが声をかけます。
「稲村どのには研ぎを致さねばならぬ理由があって、
こちらに持参なされたのではないか。」
稲村さんは、包丁の研ぎをしていると聞いたので、
それでがたくり丸を研いでもらおうと持ってきたのです。
それが立派な研ぎ師と知ってしり込みしたのです。
小藤次さんが刀を抜いて確かめさせてもらうと、
どうやら長いこと抜いていなかったようですね・・・
しかも明日の夜までに研いで欲しいとのことなのです。
小藤次さんは孫六兼元を研ぐのにかなりの日数をかけました。
それを一晩で・・・何か理由がありそうですね。
梅五郎さんがもう少し時を貸した方がいいと言うと、
「明夕以降に仕上げると申されるならば、
もはや研ぎの要もない。」
そう言うのです・・・ますます何かある![]()
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小藤次さんは、
「稲村どの、明日の昼過ぎまでにお長屋に届けよう。」
そういって刀を預りました。
次回へ続く![]()