駆け込んできた久慈屋の小僧・国三さんによると、
女中のお花さんがさらわれそうだというのです![]()
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お花さんは、最近入った美人
の女中さんで、
お父さんは久慈屋の元番頭さんでした。
お父さんは10年前に流行り病で亡くなり、
お花さんも3年前にお嫁に行きましたが、
お姑さんとの折り合いが悪く![]()
旦那さんもお姑さんの言いなりだったようで、
実家に帰されていて、久慈屋さんで働いていたのです。
しかし、店にやってきたのは旦那さんではなく、
怪しげな人たちだとか・・・![]()
小藤次さんは国三さんを乗せ、舟に乗り込みました。
お花さんの嫁いだ先は薬屋さん。
「家中が薬臭くて嫌だった。」
とお花さんがよく洩らしていたそうです。
と、国三さんが、
「赤目様、だれにも内緒ですよ。
お花さんは日比谷稲荷で時に亭主と会っていますよ。
偶々使いの折に見かけたんです。」
と言いました。その男はイケメン
で、
思いつめた様子で話していたそうです![]()
さて、久慈屋の船着場についた小藤次さんが
上がろうとすると、男達が下りてきて、
その周りを久慈屋の奉公人が取り囲みました。
お花さんの手を掴んでいる男はやくざ者のようで、
中には、2人の浪人者もまざっておりました。
小藤次さんは、怪我をするといけないからと、
国三さんを舟へと残し、船着場へと上がりました。
やくざ者は「天元の萬吉一家の者だ。」と名乗りました。
お花さんの首には刃物が当てられています・・・![]()
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といっても、悪者の皆さん、小藤次さんの敵ではありません![]()
竿であっという間に倒され、おとなしくお花さんを返して、
慌てて舟で逃げて行きました。
駆けつけた岡っ引きの秀次親分の家で、
事情聴取が行われることになりました。
お店ではお花さんが話しにくいだろうとの、親分の心配りです。
しかしお花さんは、天元の萬吉一家とは関わりが無く、
今朝のこともまったく心当たりがないそうなのです。
どうやら嫁いだ先とも関係がなさそう・・・
お花さんの家族は、お母さんと弟が2人。
上の弟は奉公に出ていて、下の弟はお母さんと暮らしています。
18歳でお嫁にいき、実家に帰された後は、
天麩羅茶屋の「伊勢一」というところで働いていて、
今は上の弟の「松之助」くんがそこで働いているそうです。
お花さんは、きっと誰かと間違われたのだと思う、
だからもうこんなことはないだろうとそう言います。
秀次親分は、何か思い出したら、
自分か小藤次さんに話してほしいと念を押して、
お花さんを帰す事にしました。
送っていくと言う親分の親切を断わり、
お花さんは1人で店へと帰って行きました。
秀次親分と小藤次さんは早速「伊勢一」を訪ねました。
女中のリーダー的存在の「おはつ」さんを呼び出し、
お花さんについていろいろ聞くことにしました。
おはつさんによると・・・
お花さんの弟・松之助くんは10日前に辞職、
お花さんが勤めていたとき3人の男性が
お花さんに惚れこんでいたというのです。
その3人の男性は、お坊さん・左官・とび職の方でしたが、
皆さん、今はそれぞれの道を歩んでいて、
お花さんに関わってはいない様子。
松之助くんは、堪えしょうがなくて、怒られるとすぐすねる・・・
挙句の果てに、「伊勢一」のお嬢さんに手を出して、
それでお店を辞める事になったそうです。
次回へ続く![]()