早速一騒動に出逢った小藤次さんご一行。
何とか午後4時には宿泊場所へ到着しました。
この宿は、大八車をそのまま納めることが出来る
大きな納屋があるので、夜露に濡れないように、
ここへすべて運び込みます。
明日は川を渡る予定。
普通、川は午前6時から渡り始めとなるのですが、
高尾山の御用ということもあって、
前もって許可を得ているので、少し早めに出発予定です。
しかし・・・ここまで5作目ですが、
いつも旅の出発は朝がかなり早いですよね・・・
さて、小藤次さん、先ほどの早乙女さん達が、
このまま引き下がるとは考えていないようですね。
大勢の前で恥をかかされたので、
仕返しをしないとも限りません。
小藤次さんと観右衛門さんは知恵を絞ることに。
その結果、手代の浩介さんがお金を持たされて、
船の渡し場の船頭さんの家へと使いへ行きました。
さて???どういう計画なのでしょうか???
浩介さんが戻ってきたのは夕飯前。
どうやら船頭さんと交渉して、
いつでも船が出せるようにしてもらったようです。
さていよいよ夕ご飯![]()
またお酒
と思いきや、小藤次さんは一滴も飲んでおりません。
お夕飯を早々に終えて、部屋へ戻り布団へ入ります。
午前0時、小藤次さんがむっくりと起き上がります。
と隣に寝ていた観右衛門さんが声をかけます。
「ご苦労にございますな。」
そういって、時間つぶしにと徳利につめたお酒を、
小藤次さんに渡します。時間つぶしって・・・
宿屋の裏の戸口に回った小藤次さん。
ちびちびとお酒を飲みながら待っていると、
午前2時、裏庭に数人の影が![]()
見張ってはいたものの、まさか本当に来るとは
思っていなかった小藤次さん、呆れております。
まずは偵察に来たようで、大八車を確認すると、
一旦外へ姿を消します。
再び人影が現れた時には、人数は倍になってるし、
中には火縄を持っている人たちも![]()
そう、この闇に表れたご一行は、チーム早乙女さん。
昼間の仕返しに来たのですね。
しかし、紙を焼いてしまおうとは・・・お子ちゃまのような・・・
「油をまいて火をつけよ」という早乙女さんの命令に、
家来達が納屋に忍び込もうとしたその時、
小藤次さんが立ち上がります![]()
「そなたらが探す赤目小藤次よ。
いくら山流しを毛嫌いするとはいえ、甲府勤番の御用にむかう
直参旗本が宿場で火盗の真似とは許せぬな。
このまま引き下がれば夜盗の真似は忘れようか。」
※山流しとは、甲府勤番を俗にこう呼びました。
仲間達が小藤次さんを囲み、早乙女さんも槍を手にします。
最初に仕掛けてきた者に、茶碗を投げつけ、
棒立ちになったところに小藤次さんが仕掛けます。
仲間を倒した小藤次さんの早業に、皆さん後ずさり。
その様子にため息を洩らした早乙女さんは、
槍をかまえて小藤次さんに向かいます。
何度か仕掛ける早乙女さん。
しかし、仕留めたと思ったその時、
小藤次さんは、後ろに倒れ沈んで、
両足で槍の柄に絡まります。
そして片手で槍の柄をつかんだのです。
まるでお猿さんのようにぶら下がる形になった
小藤次さんを振り落とそうとした瞬間、
小藤次さんの体が半転し、早乙女さんの下腹部を
撫で斬りました。
お仲間たちは、この様子に声も出ません。
慌てて早乙女さん達を宿屋から運び出していきました。
と、観右衛門さん達が裏口からぞろぞろと出てきました。
「いやはや酔いどれ小藤次様の技前には
驚かされるばかりですよ。
今の奇妙な技はなんでございますな。」
もう午前4時、出発の時間が近づいてきたので、
皆さん起きてきたようです。
車力の権ノ助親方も、
「大番頭さんよ、確かに酔いどれ小藤次様は
奇想天外な剣術家だぜ。
おりゃ、夢でも見ているようだ。」
とため息をつきました。
こうして、騒動もひと段落し、旅の2日目がはじまりました。
船の渡し場では、一旦荷物が大八車から下され、
紙、大八車ともに船へと積み込まれました。
南西の空に富士山を見ながらの、船旅です。
次回へ続く![]()