経師屋へ戻った小藤次さんが、
お得意先からもらったお酒
を飲みながら、
舟の上で待っていると、安兵衛さんが、
秀次親分と部下の銀太郎さんを連れて
戻ってきました。
秀次親分はここへ来る途中、寅太郎さんの所へ寄り、
訳があって乗り出したと挨拶してきたそうで、
1、2晩は無謀なことはしないだろうと、いうことでした。
明日、達ちゃんの別の仲間に話を聞くことにし、
とりあえずこの日は戻ることにしました。
翌日、仲間に話を聞きに行った小藤次さん。
それぞれ別の長屋に住んでいるので、
まず一人目・馬之助くんを訪ねていきますが、
知らないと激しく首を振ります。
その様子にどこか変な感じを覚えた小藤次さん。
次に新助くんの長屋を訪ねようとすると、
馬之助くんがこっそり後をつけてきます。
新助くんに訪ねても、同じ反応。
尾行は2人に増えました。
最後の磯次くんを訪ねると、やはりここでも同じ。
小藤次さんは、あっさりと長屋を出て戻る振りをし、
しばらくして先ほどの町へと戻ると、
さっきの3人が真剣に相談をしていました。
小藤次さんに声をかけられると、
3人は顔を上げて恐がっております![]()
小藤次さんにお説教されると、しゅんとして、
泣きそうになったり、青い顔になったりと落ちつきません。
「ちょっと達ちゃんを困らせようとしただけなんだ。」
と新助くんが言うと、一斉に喋りだしました。
体も小さく、年齢も下の3人は年長の達ちゃんとひょろ松に
押さえつけられるのに不満を持っていました。
短刀のことは、小藤次さんに研ぎに出そうとしたときに
初めて知ったそうで、なんとなく達ちゃんのあとをつけると、
お寺の木の洞に短刀を隠すのを見たのです。
ここでこまらせてやろうというイタズラ心が浮かび、
家に持ち帰ると、その夜に達ちゃんのお父さんが、
寅太郎さんに捕まってしまったのです。
持ち帰ったのは磯次くんだったのですが、
突然泣き顔になり、無くなったと謝りはじめます。
家に持ち帰って、大工であるお父さん・浜吉さんの
道具箱の中に隠したそうなのです。
雨が降りそうなお天気で、きっと明日の仕事は休みだろうと
道具箱の中に隠したのですが、次の日はすっかり晴れ。
お父さんはそのまま仕事に行ったそうなのです。
お父さんはその日以来戻ってきていません。
しかも、お父さんは博打好き・・・
おそらくお金に替えて博打しに行ったようですね。
いきつけの場所は寅太郎さんの持っている博打場。
ということは質屋ではなく、直接持ち込んだ可能性が高い。
小藤次さんは、3人に長屋でじっとしているように言い聞かせ、
経師屋へと戻りました。
安兵衛さんのところに着くと、
ちょうど秀次親分が、町奉行所の与力、同心を連れて
やってきたところでした。
与力の多野村さんは小藤次さんの舟に乗せてくれといいます。
どうやら内緒の相談をしたいようです![]()
小藤次さんと多野村さん、秀次親分の3人が
舟に乗り込みました。
調べによると、袋についていた紋所は、
弘前藩10万石津軽家のもの。
もしかしたらと盗難にあった可能性もあるからと、
秀次親分が上司と通して多野村さんに相談したところ、
すでに津軽家から盗難届けが出ていて、
内々に相談を受けていたというのです。
なんだか最近の小藤次さんの周辺は、
内々
内密
内緒
密かに
が多いですねぇ・・・
津軽家では蔵に何者かが押し入り、
刀や掛軸など何点かが盗まれたそうで、
その責任を取って、御蔵奉行が切腹したそうです。
津軽家のお殿様は何としてでも短刀だけは取り戻せ![]()
と家中に厳しく命令していたようです。
蔵に忍び込んだ手口といい、
すぐに紛失に気づかなかったことといい、
どうやら内部のものが関わっている様子。
小藤次さんが、短刀の行方をつかんだと話すと、
多野村さんの顔には思わず笑みが![]()
多野村さんは、内々に進めたいから、
町奉行所が出るよりも、小藤次さんの力を借りたい、
そんな方法でもいいから取り戻してくれと頼みます。
「寅太郎はどうなさいますな。」
と聞く小藤次さんに、
「そのような阿漕な生き方をしている者には
思わぬ敵がいたりしてな、辻斬りに遭わぬとも
かぎらぬものよ。」
と、はっきりはいわないものの、寅太郎さんを
始末してもよいとにおわせておりました。
小藤次さんはうなずき、一つお願い事をします。
津軽家の家老か御用人の名前で、寅太郎さんに
手紙を書いて欲しいという願いです。
内容は、短刀を買い戻そうというもの。
おっ、西東さんの「雨斬丸」と同じ手口だ![]()
その夜、秀次親分の調べで、捕らえられた
お父さん達2人のいる場所が分りました。
場所は寅太郎さんの博打場近くの漬物蔵。
見張りがいなかったので、小藤次さんと秀次親分は
中へと入っていきます。
調べどおり中には2人のお父さんが捕まっておりました。
やはり短刀は寅太郎さんに取り上げたまま。
2人に事情を聞いていると、見張りが戻ってきちゃいました。
しかし、小藤次さんには痛くもかゆくもありません。
2人の見張りを倒し、難なくその場から脱出![]()
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2時間後、小藤次さんは寅太郎さんとの待ち合わせ場所に
向かいました。寅太郎さんが要求したお金は300両![]()
しかし、月明かりに照らされた小藤次さんを見て、
「おめえはだれでえ。」と聞きます。
「そなたらが生きておっては深川界隈が迷惑致す。」
名前を名乗った小藤次さんは、
まず寅太郎さんの喉元を刎ね、
一緒に居た用心棒の肩口を斬り、2人を倒し、
無事短刀を取り戻したのでした。
次回へ続く![]()