藤葵くんが働いていた陰間茶屋「花車」では、
秀次親分が待っておりました。
秀次親分は町奉行所の関係者。
この一件では派手には動けないので、
小藤次さんと手を組み、こっそり探索です![]()
西東さんは男娼の趣味があることを隠し通せていた、
と思っているようなのですが、周りは知っていたみたい・・・![]()
秀次親分も、大体の見当はついていたようです。
藤葵くんは宝物殿の合鍵を持っていたようで、
西東さんが与えたか、密かに自分で作ったか・・・
そうなると、犯人は藤葵くんの知り合いの可能性があります。
一旦、「雨斬丸」で殺された藤葵くんを西東さんに見せておいて、
「雨斬丸」を奪っている、という点からも
金目当てではなさそうです。秀次親分の調べによると、
藤葵くんと特に仲が良かったお客さんは2人。
これは秀次親分が調べることになりました。
秀次親分が探索している間、小藤次さんは、
いつ声がかかってもいいように久慈屋さんでお仕事。
刃物の研ぎを終えて、暇そうにしていると、
足袋問屋・京屋喜平の番頭「菊蔵」さんが声をかけてきました。
「京屋喜平さんの刃物はそれがしのようは素人には
研がせてまくれまいな。」
「なにっ、酔いどれ小藤次様が研いで下さると申されるか。
うちでは久慈屋さんを羨ましく思っていたところですよ。
ほんとうによろしいので。」
「本日は試しにござればお代は無料じゃ。」
小藤次さん、なかなか営業上手![]()
お客様一件獲得です![]()
菊蔵さんは大番頭の観右衛門さんに断わり、
刃物を10本ほど持ってきてくれました。
半日かけて仕上げ、お店へ届けに行くと、
菊蔵さんは奥から職人頭の「円太郎」さんを呼びます。
切れ味を確かめた円太郎さんは切れ具合にびっくり![]()
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本日はお披露目だから無料ですと言い置いて、
久慈屋の店先に戻ると、秀次親分の部下の銀太郎さんが、
小藤次さんの仕事道具を片付けておりました。
2人は秀次親分との待ち合わせの場所へと向かいます。
秀次親分の調べによると・・・
藤葵くんと仲が良かったお客さんは無関係。
藤葵くんは本名「門次」。寺の門前に捨てられていたので、
和尚さんが名づけたそうです。
「坂月段五郎」一座が巡業に来たときに頼み込んで、
一座に加えてもらったそうで、この時15歳。
ここで「水木元之丞」として見習いの女形を始めます。
興行地でお客さんに頼まれて座敷に出したのが男娼の始まり。
西東さんはこのころから目をつけていたようです。
この一座は時々芝神明社で興行をしており、
座長も地主である西東さんに頼まれては、いやとはいえません。
さて、この一座の中に「篠田弥曾平」さんという浪人がいて、
この方も藤葵くんと情を交わしてまいりました。
でも、藤葵くんは「自分以外に想い者をつくるな」と、
西東さんに言われて月々のお手当を貰っておりました。
つまりは篠田さんを捨てて、西東さんのお世話になっていたのです。
篠田さんは、あの夜品川宿で遊んでいたと
仲間に言っていたそうですが、藤葵くんに復縁を迫ったか何かで、
社殿前で会ったのは確かなようです。
後は、篠田さんが「雨斬丸」を持っていれば、
犯人だと断定できるのだが・・・と小藤次さんが言うと、
秀次親分は、どうにか篠田さんを芝神明社の外に、
呼び出したいと言います。
つまり、篠田さんを捕まえるにしても、
神社の中だと管轄違いになってしまいます。
だから外に呼び出して、町奉行所の権限で
捕まえようとしているのです。
そこで小藤次さん、西東さんの名前で手紙を出し、
「雨斬丸」をどうしても買い取りたいと持ちかけることに![]()
時間は午前2時
秀次親分と小藤次さんが、
船の陰に隠れていると、ようやく篠田さんが現れます。
「大宮司どの、何処におられる。」
と囁く声は30代半ばくらい。
秀次親分がまず1人で立ち上がり近づくと、
「臆病者の大宮司にしてはちと大胆と思うたが、
町方が嗅ぎつけたか。」
実は篠田さんと藤葵くんの関係は続いていたのです。
藤葵くんが西東さんと会う時は、
決まってその前に篠田さんと情を交わすのが習慣で、
いつも「雨斬丸」でふざけあっていると聞いていたので、
あの日も西東さんを困らせようと、
藤葵くんに「雨斬丸」を持ってこさせたのです。
社殿前で藤葵くんと「雨斬丸」でじゃれあっていたら、
力が余って首を刺し貫いてしまったそうです。
この人達、何してるんでしょ・・・![]()
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藤葵くんを独占したくて殺したという気持ちが
無かったわけではない、と篠田さんは正直に告白。
「雨斬丸」を抜き取ったのも、西東さんの困った顔が
見たかっただけのようですが、小藤次さん達の誘いで、
金になると気づいたようです。
秀次親分を斬ろうとかまえたその背後に、
小藤次さんがひっそりと立っておりました。
なかなかの腕前をもっている篠田さんでしたが、
小藤次さんが相手の内懐に入り、
見事腹から胸を斬り上げ、決着がつきました。
次回へ続く![]()