~最後の戦い②~
北爪さんの屋敷には、傷の手当を終えた銀次郎さんと
半十郎さん、北爪さんの3人がおりました。
護衛してきた飯塚さんは門前で帰っています。
熱が出てきたのか、つらそうな銀次郎さんに、
体がきついなら話を聞くのは明日にしようかと
半十郎さんが言うと、北爪さんは首を振りました。
「話が終わったら、ゆっくり寝かせてやる。」
そして、銀次郎さんは水を一杯飲むと話し始めました。
まだ銀次郎さんが江戸に居たころ、江戸にある藩のお屋敷で、
お殿様付きのお医者さんが自殺しました。名前は「中迫」さん。
お殿様の信頼が厚く、時々国元へも来ていたので、
半十郎さんも北爪さんもその話は知っておりました。
しかし、自殺後に、その中迫さんが長い間に渡って
お殿様に毒をもっていたという噂が流れたのです。
これには2人もびっくり![]()
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当時、中迫さん自殺事件はかなり綿密に調べられたようですが、
その厳しい調べが噂を生んだのかもしれません。
毒盛り事件の噂は2、3日で消えたのですが、
半年ほどしてまた別の噂が流れ始めたのです。
お殿様の側に仕えている「石渡」さんが、
取り潰された望月派の血縁の人と会っているというのです。
そしてその密会は、中迫さん事件ともつながっているとかいないとか・・・
この噂は一ヶ月ほど続いたのですが、
石渡さん本人がけろっとしているので、自然と消えてしまいました。
その直後から、小出家老の親戚である銀次郎さんの家に
出入りする人が急に増えてき始めます。
銀次郎さんですら覗くことのできない密談かかわされていたようです。
しかし、銀次郎さんが小出家老の呼び出しで、
国元へ向かう直前、お父さんが銀次郎さんに内容を教えてくれます。
中迫さんがお殿様に毒をもっていたというのは2説あって、
①それについて中迫さんが遺書を残していた。
②普段お殿様に出している薬の中に毒を致死量いれて、
それを自分で飲むことで毒をもっていたことを暗に告白。
というものでしたが、どちらにしても毒は本当だったのです。
さて、中迫さんを動かしたのはだれか??
石渡さんは「小出家老を疑うべきでしょうな。」と言ったそうです。
かなり堂々と言っていたので、背後にはお殿様がいるのではないか?
という推測も飛んでおります。
というのも小出家老とお殿様は犬猿の中。
以前、お殿様が
「望月の一件では小出に嵌められた」と言っていたそうで、
内容はわかりませんが、望月派の衰退に小出さんが関わっているような
そんなことをほのめかす発言です。
しかも、中迫さんは小出家老の密かな紹介で就職。
ますます怪しくなってきました、小出家老![]()
最後に銀次郎さんのお父さんは、銀次郎さんにこう言います。
もちろん力を貸せと言われたからには、
小出家老を助けるのは当然のこと。
でも、銀次郎さんのお母さんは、小出家老の妹とはいえ、
お妾さんの子供・・・こちらが敬っているほど、
小出家老はこちらを見てはいない。
「殿か、帯刀(小出家老のこと)どのかと岐路に迷うようなときは・・・
石橋家は殿の家臣。迷わず殿につくことだ。」
重大な機密を話し終えた銀次郎さんには、
かなりの疲労が見られました。
北爪さんは、銀次郎さんとその家族の安全を守るといい、
ようやく銀次郎さんを休ませてくれました。
次回へ続く![]()