~内藤半左衛門との戦い③~
とある飲み屋の一角で、銀次郎さんは40過ぎの男に、
酒を飲ませております![]()
この男は「杵七」といって元内藤さん家の奉公人。
女中さんに手をだそうとして追い出されたそうです![]()
銀次郎さんはこの男から情報を仕入れようとしているのです。
銀次郎さんが酒
と金
を使い、聞き出したところによると、
民乃さんが、夜中にこっそり内藤さんの部屋に
出入りしていたというのです。
しかし、銀次郎さんは、杵七さんの様子から、
この話が作り話だということに気づきます。
しかも、銀次郎さんが問い詰めると、
杵七さんはつじつまの合わないことばかり言い始めます。
結局、証拠になるような話はありませんでした![]()
数日後、杵七さんが小川の岸辺で死体で発見されます。
傷は2ヶ所。その傷から殺害したのはお侍さんのようです。
半十郎さんは、内藤さんの家に向かう途中、
銀次郎さんから話を聞くにつれ、杵七さんを殺したのは
内藤さんのほかにはないと感じておりました。
銀次郎さんは杵七さんと会った夜、
内藤さんを訪ね、不義密通のことを黙っている代わりに、
立ち合ってくれと交渉しに行ったのです。
言いたかったらいえばいい、
そのかわり恥をかくのはお前と小出家老では?
との逆脅しについ杵七さんの名前をだしたようです。
杵七さんは随分と悪いことをしていたようですが、
やはり殺したのは内藤さんで間違いない・・・
2人は、緊張して内藤さんの家を訪れます。
この日の内藤さんは機嫌のよい顔で2人を迎えます。
内藤さんは杵七さんが殺されたことは知っていたようです。
銀次郎さんが、斬ったのは内藤さんでは?と聞くと、
「わしが?これはおどろいた。
わしがなんで杵七を斬らねばならんのだ。」
と答える内藤さん。
ここから銀次郎さんの駈け引きが始まります![]()
不義密通の証人だから内藤さんは杵七を殺した・・・
という銀次郎さんに、そんなのは妄想だと答える内藤さん。
では奉行所に届けるというと、証拠がないと反論。
しかし、杵七さんが殺された夜、飲み屋の女が、
杵七さんが呼び出されたのを見ております。
杵七さんはその呼び出しに素直に従った様子。
それに呼び出した人物の背格好もわかっております。
この答えに、内藤さんは口をつぐみ、しばらくして、
元の主人に許し難いことを言ったので、
無礼討ちにしたと申し立てることが出来ると答えると、
銀次郎さんはとどめの一言。
「しかし、そのためにはとどめを刺したわけはもちろん、
嫁女との不義密通の疑いについても、
弁明をもとめられますぞ。」
口を閉じる内藤さん、しばらく2人に交互に目を配ります。
そして内藤さんは、銀次郎さんから、立ち合いと引き換えに、
不義密通の件は忘れるとの約束をとります。
これは、不義密通の事実があったわけではなく、
推測にしてもそんな噂が流れれば、家の恥、
そして罪もない民乃さんが憐れだから・・・
と内藤さんはつぶやきます。
半十郎さんを立会人として、銀次郎さんと内藤さんの
木刀での試合が始まります。場所は城下のはずれ。
試合は終始、内藤さんが強い打ち込みで攻め![]()
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銀次郎さんはそれを受けるのに精一杯![]()
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半十郎さんが、2人を分けようかと思ったとき、
大きく後に下った銀次郎さんが、
「まいった。内藤老人、まいった。」と叫びます。
「まだ、まだ」という内藤さん。
しかし半十郎さんが間に入り、試合を終わらせます。
しばらく鷲のような目で銀次郎さんを見つめていた内藤さん、
「約束は守ってもらうぞ。証人がいる。」
というと、背を向けて歩き出しました。
半十郎さんが見ると、銀次郎さんの頬・額・こめかみには
いくつもの傷があり、頭はこぶだらけ。
内藤さんの剣はかなりの強い力だったようです![]()
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しかし、内藤さんも「馬の骨」の継承者ではありませんでした。
銀次郎さんはふと思いついたように言います。
「老人は、今朝はおれを殺しにかかって来たな。
密通が事実だった証拠とは思わんか。」
「そうかも知れん。
だが、そのことはもうそっとしておく方がよい。」
と半十郎さんは答えます。
次回へ続く![]()