断食 / LemLemスクールの先生たち | エチオピアからのラブレター

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Loveletter from Ethiopia

3人の子育てにひと段落。
母さんはエチオピアでボランティアをすることにしたよ。

3月29日(木)


        * 断食 *


今朝起きてちょっと喉が痛い。
大したことはないだろう。このアジスアベバの排気ガスは
かなりのものだ。おそらく風邪というより、この大気汚染
のせいではないかと思う。マスクを持ってくればよかったが、
ここではそんなものをしている人はいないので、よけい目立って
よくないな。
持参した喉の薬を飲んで家を出る。


今日はアツィダが車で送ってくれた。7時過ぎにはでるというので、
私だけ急いで朝食をとる。
今は断食の期間で、彼らは朝食はとらない。
私だけのために準備してもらって、申し訳ない。
断食の時は、肉、卵、牛乳も飲まない。
タンパク質は、豆類からとる。
あと2週間くらいで終わるらしい。
終わったら、チキン等の肉類も食べるらしいから、
今は一番食生活が貧しい時なのだ。
私もここに来て、だいぶスリムになったようだ。
フランス人のミシェリーは、5キロやせたと言っている。



     * LemLemスクールの朝の活動 *


7時半にはLemLemに着いた。
ちょっとフルートの音出しと、練習ができる。
曲目を変えて、「星に願いを」と「上を向いて歩こう
(スキヤキ・ソング)」にした。知ってるかな?


全員庭に出て朝の集会が始まる。
"Time to make a circle"を一緒に歌って、
各学年に分かれて丸く円を作る。
先生たちも気に入って、歌を覚えてくれたから、よかった。
何度もやって体で覚えていってくれるみたいだ。


いつものエクササイズをして、Hocky Pockyを踊る。
これが大変な運動…昨日と今日でみんなだいぶ覚えてくれた。
そして、フルートの演奏になった。
2曲とも先生たちはあまり知らなかったが、
みんな静かに聞いてくれたので、よかった。


今日は残りの年少組に行くことになっているが、
年長組からのリクエストがあって、30分だけ
お邪魔することになった。
お花の手袋がとても人気がある。


ここでも、「もこもこもこ」の絵本は大うけだった。
このクラスの担任のメッシーは、先生としては一番
やる気がある気がする。いいと思うことは、どんどん取り入れて
いこうという意欲があり、子供たちを上手に乗せて、
やる気を引き出している。


その後、9時45分。朝食。
朝食の後の年少組の42人のクラスは、とにかく大変。
確かに年少組の42人は多い。これをまとめるのは大変なのは
わかるが、この担任のブラハムは棒のようなものを振り回して、
静かにさせているのだ。これには本当に驚いた。


"Sheee, be quite please sit down"の歌を歌って静かにさせてあげる。
怒鳴るよりよっぽど効果がある。簡単な歌だが、どうもブラハムは
歌が苦手のようだ。
一生懸命練習しても、なかなか歌えない。
どこか、劣等感のようなものを抱いているように見える。
だから、子供たちに大きな声で怒鳴って静かにさせたり、
叩いたりしているのではないだろうか。


ここ2,3日で子供たちに接するときは、怒鳴り散らすのではなく、
逆に静かに語りかけ、何か子供の主張があれば、まずは
受け止めてあげる。食事の時も、動物にエサをあげるように
口に押し込むのではなく、自分で食べられるようにできるだけ
してあげること。その証拠に上手に食べられた子供たちを
褒めてあげると、とても喜んでまた自分で食べる。
お昼寝の時には、静かな歌でも歌ってあげるといい…など、
基本的な接し方を伝えてきた。


年少組の担任のセナフィックは、とても明るくてチャーミングだ。
これまでの叱り飛ばして静かにさせたりするやり方ではだめよね、
とちょっとわかってくれたようだ。


          セナフィックとブラハム


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素直で、かわいい子供たちだ。
この子達が、自分で考えて、自分でどう行動するかを決めることが
できるように、導いてあげる今は大事な時だ。
その大事な土台を作る時で、その大切な仕事をしていることに誇りを
持って、先生たちも頑張ってほしい。

みんないい先生たちだ。ただ、その教えるノウハウがあまりない
ことが問題なのかもしれない。


いよいよ、明日はLemLem最後の日だ…。



         LemLemの愛すべき先生たち


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