『ダブル·ファンタジー』(上)(下) 村山由佳






内容はとても[大人]のお話なので、ちょっとブログに書くのは、はばかられます(笑)。


なので微妙な感想ブログになってしまいますが、普段ミステリーを多く選択してしまう私にとっては、久々に衝撃的な恋愛小説でした。



35歳の脚本家[奈津]は、生活·仕事全てにおいて夫の抑圧から逃れられず、厳しかった母のトラウマに苦しむ日々を送る。


そんな夫への愛情が途切れ、自宅を飛び出し、マンションに一人で暮らし始める。


そこから出会う3人の男性との激しい愛が、刺激的な文章で綴られていく。


年の離れた演出家[志澤]に心の中の全てまで委ねるが、破天荒な彼に心を乱され立ち直れない程の傷を負う。


そして香港での取材旅行で再会する大学の先輩[岩井]、志澤が目をかける若手俳優[大林]との愛を通し、奈津が得たものは···?



志澤との話は、2人が体を重ねるシーンよりも、私は2人のメールでのやりとりの方が刺激的で甘美な物に感じました。


岩井が最後に奈津に送るメールは心が痛みました。


志澤の情熱、岩井の優しさ、大林の若さ、それぞれ全く違うタイプに見えますが、3人それぞれが皆「才能」のある男性で、そんなところに奈津はひかれたのかもしれません。



~自由であるということは、こんなにもさみしいものなのか~


最後に放たれる奈津の言葉はあまりに切なく私の心に残ります。



作家さんが女性という事もあり、女性の内面があまりにリアルに書かれていて、ちょっと驚きました。


男性作家さんではなかなかこうは書けないのでは。


官能的なセールスコピーが書かれていましたが、純粋に恋に落ち、もがき苦しむ登場人物たちの心の表現に、ストレートに感動しました。



大人の恋、じっくり堪能させていただきましたラブラブ














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