ハレの日の | ひねもすのたり

ハレの日の



電車ではなるべく

人が固まってないところにいたい。

まあ、多くの人がそうだろうけど。



ある帰り道、

いつも乗る辺りとは違う車両に乗った。


人が少なそうなところを選んだつもりだったけど

ドアが閉まる寸前、男子高校生が乗りこんできた。

4人連れで。



団体ってだけで、

ボリュームがかさ増しされたみたいに感じる。


ドアの脇に立ったまま

心の中で小さくため息をつく。



そんな中やって来た、次の駅。



ドアが開くと同時に

中学生なのか高校生なのかよくわからないけど

男子が乗りこんできた。


これでもか、これでもか、と

想像するに20人弱。



たぶん、卒業のお祝いなのか、そんな感じ。



そしてみんな、まぎれもなくヤンキー。


赤や白や紫の短ランと袴のようなパンツに

ところせましと刺繍の文字が躍っている。


下妻物語のイチゴみたい。



背中やズボンに刺繍されているメッセージを

思わず盗み読んでしまったよ。


なかなかにおもしろくて。



メッセージの内容とか

洋服の色とか、刺繍の糸の色とかサイズとか

どこに縫いつけるかとか

いろいろ考えるんだろうな

とか思って。


晴れの日の特別な服。



できることなら全員のメッセージを

読んでしまいたかったけど

1駅でわやわやと降りていった。



メッセージって、だってそういうものよね。

誰かに伝えたいとか

誰かに読んでほしいとか。


その誰かが

道行くわたしじゃないことは確かだけど

そんなに大々的だから

わたしが読んでもまあいいんじゃない。



ともあれ

卒業おめでとう。


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