ふぁんたじー | ひねもすのたり

ふぁんたじー



久しぶりに会った知人に

少し前にとてもよく似てる人を見たよ、

と言われた。


テレビに映っていたパン屋さんで、

話し方や仕草や雰囲気がよく似ていたらしい。


わたしに似ていた人は

わたしよりわたしの夢に近いところにいるらしい。


人が見る自分って

どんななんだろう。


思えば、初めての自覚は小学生のとき。

転入生が隣のクラスに来て、

どんな人だろうと話題になったときに、

ある男子がわたしに雰囲気が似てる、と言った。

まったくもって失礼な話だけど

人にはこう映ってるのか、と愕然とした。


まだまだ自分に幻想を抱いていたころ。


とはいえ、そのころ鏡を見ては、

みんなの顔ははっきりしているのに

なんでわたしの顔はぼんやりしてるんだろう、

と憂い悩んでいた。


鏡を見て憂うなんて、乙女ね。


自覚を重ねながらも

やっぱり幻想は見続ける。

まがりなりにも女子だから。


140517-2

Illustration by mianshuca (http://mianshuca.exblog.jp/)