一年に一度の大試験~続き~ | 新♪ここだけの話♪♪ ~スッチー編~

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空の上のおもしろい話、つつみ隠さずぶっちゃけます♪

こうして私の試験が始まった・・・・

お飲み物のサービスを始めてから約5分後、機内に煙が充満し始めた。

        け・・けむり?!煙も出せるんかい?!本気や・・・(´_`。)

機内には火災報知機が鳴り響いた。足をガクガクさせながら、火災報知機が

鳴っている機内後方のトイレに向かう。

        え~っと、一番近い消火器は~・・あ、ちゃうわ、何が燃えてるのか

        確認や!

トイレのドアを手の甲を使って熱さを調べてから中に入った。(こうすると、すごくドアが

熱くなっていてヤケドをしてもまだ手のひらが使えるから良いらしい・・)

「電気系統が燃えています!」

とメモが鏡に貼ってあった。機内の不燃物用の消火器の位置を頭を振絞って

考えた。

         ここのクローゼットやったかな?あれ・・・・無いわ・・・(ノω・、)

         

思い出して取りに走り、酸素マスクを装着し、消火に当たった。

         できた!!(・ω・)/

と一仕事終えた気分でいたが、試験管達の浮かない顔を見て気づいた。

         ああ、パーサーに電話で報告か!!(-_-メ 

飛行機の中で煙を見たのは初めてだったし、本物みたいだったので

すっごい怖かったのもあり、私の足はブルブル震えている。

         あと一問・・・どっかにきっと着陸するんやんね。

         この機種のドア3は・・・

と考えながら、飲み物のサービスに戻った。

「あなた、笑顔が無いわよ。スマーイル♪」

試験官の方に言われた。

         ムリやって・・・(T▽T;)

ガタンッ!! ガタガタッ!!!

飛行機が揺れた・・・・

         なんで飛んでないのに揺れるねん!!!

頭はパニックである。が、片方の頭では、

         こんな装置つけて・・・うちの会社お金あるな~・・・(?_?)

と思う自分にも驚きながら、カートをギャレーに閉まった。パーサーから

電話がかかってきた。

           「はい。ドア3のちょこです。」

「パーサーのイビーです。機長くらのれんりくによりゅと○○だけら

、20分ごにきんきょちゃくりく。じゅんぼしてくり。バイバイ。」

         パーサーの名前とバイバイしか、わからへんかった・・・o(_ _*)o

彼女の母国語にしか聞こえない英語をこんなに呪った時は無い。

切られた電話をかけなおして、もう一度ゆっくりお願いしますと

言った。

「だから~、エンジン。。エンジンがぬい。」

            「で、どこに着陸?」

「ジャンゴー」

            「は?」

「ジャングル!!」

やっと理解できた。

       けど・・ジャングルって・・・私らは一体どこ飛んでるねん・・・(。-人-。)

ギャレーの確認をしてたら、パーサー役のイビーからアナウンスが入った。


「パーサーのイビーです。トキはエンジンがこうわれたのできんきょうきゃくりく

す。いむからビデオで安全設備をおしえりゅ。」


       たぶん、ビデオを流すって言ったんやんな・・(・_・ 三・_・)

       この英語、先が思いやられるわ・・・o(_ _*)o


緊急時の安全設備のビデオが始まった。その後に、衝撃防止態勢

練習をする。お客さん役を一人ひとりチェックしていた矢先・・・おばちゃん

試験官が心臓を押さえて苦しみ始めた


       こんなときにまた寸劇?!


他の試験官達がおばちゃんに集まってきた。


「おい、大丈夫か?!」


おばちゃんを通路に寝かせる男性達。私は、緊急着陸態勢を優先させる

べきなのか、どうなのか悩みながら、機内後方にあるAED(心肺蘇生機)

と医療器具(ニトログリセリンや、聴診器などが入った袋)を取りに行った。


       大掛かりやな~。試験管まで寸劇するやなんて!


おばちゃんのところに持って行くと、おばちゃんは本当に顔が青ざめている

し、本当に意識が無いように見える。


       またまた~・・・って・・まじ?!ヽ((◎д◎ ))ゝ


FAA職員により、すぐに心臓マッサージが始まった。別の試験官は携帯電話

「911」・・・


        ん??(  ゚ ▽ ゚ ;)なんか違う?!


呆然と立ちつくす私に、試験官の中の一人が言った。


「これは、試験ではないの。本当に彼女は心臓が弱かったのよ。

あなたは、緊急時にもかかわらず、ちゃんと医療機器も運んできて

くれたし、冷静な判断だったわ。この機種は合格。さあ、次の飛行機

があなたを待ってる。案内係のところに行っていいわよ。」

足をガクガク震わせながら、機内前方へ。みんながバタバタしてる中から

案内係とイビーを見つけた。怖かった、怖かった・・と言いながら、あんなに

むかついてたイビーに抱きついてしまった。


「大変なことがあって可哀想なんだけど、とりあえず次の飛行機に向かうわ。

バスで待ってて。」


バスで沈黙の3人。沈黙が苦しくなってきた私は言った。


          「絶対に演技やと思った~!こんなことって初めてでしょ?」


「う~ん。そうでもないわよ。」


           「え?」


「だって、私達の会社の乗務員って・・ほら・・けっこう、歳じゃない?だから、

試験中の緊張に負けて、心臓にきてしまうおばちゃんスッチー、たまにいるわ。」


         そ・・・そっか・・・・・(  ゚ ▽ ゚ ;)


「毎年、一つずつ新しい装置を増やしてるのよね。今日の飛行機を揺らす装置

とかでビックリして心臓発作になっちゃった乗務員もいるし。」


毎年この試験をくぐりぬけるには、相当の強靭な精神力と、

記憶力、判断力が必要であることがわかった。


勤続年数30年~35年。この試験を毎年合格してきたアメリカ人おばちゃんスッチー達。

怖いものはない。