腹立ち過ぎて、汗かきながら涙を拭って、掃除と洗濯。
ダンナが帰ってきたのは夕方5時半。
口もきいてやるもんか!崖の下まで落ちてあたしにひざまずけ!!!
くらいに思って、帰ってきたダンナを軽くムシ。
「ごめん」 「ちゃうねん」 「あんな」 「聞いて?」
を数回繰り返して必死に訴えてくるけど、「いいよ、好きなようにすれば?どうでもいいわ。」と突っぱねると
無造作に二つ折りになったモノを差出した。
チラっと目の端に映ったそれに、瞬時に釘付け。でも見えへんふり。
さつたば。
貧乏が憎い。不覚にも一瞬ニヤけてしまった。
すぐに無表情に戻すも、ダンナも見逃さへんかった。
「勉強はちゃんとやるし!
今うちの家にはお金必要やろ?頑張ってきてん。ちゃんと見て。」
うかつにも、
8人目の諭吉を見送ったあたりで、無表情を取り繕ってたのに「グフっ」という声を漏らしてしまった。
132,000円。
ユキチーズサーティーンとノグチズ。
おかんに3千円渡されて、押さえに打ったら34連チャンやったらしい。
ダンナ「全部槇子に渡す。槇子が全部正しい。俺が悪い。
勉強ほんまに頑張るし。許して?ごめんな?」
槇子 「いいよ。もう好きなようにすればいい。あたしはもう何にも言わへんし。
勝手にして。落ちるのも勝手や。」
ダンナ「いやっ、そんなこと言わんといてよ。ほんまゴメンって。
お金銀行に入金しに行こう?ほんで勉強するし。許して?」
槇子 「金にモノいわされるのはいやや()、金いらん。(付き返す)」
ダンナ「そんなん、思わへんし。俺絶対受かるから。受け取って?」
槇子 「落ちたらどうすんの?」
ダンナ「受かるやん。でも、そん時は、もう1回受けさして?
ほんで、その試験受かるまで、しもべになる。」
はい!
いただきました、その言葉!!!!
別に金に目がくらんだわけじゃない。(金はもらうけど。)
落ちたら、1年間あたしの下僕になると言った。
その言葉、忘れるな!
その後、しつこくパチ屋で粘って49連チャン(遊べる海物語)してるおかんを回収してお好み焼きやへ。
そこのお支払いをしたから、ユキチーズトゥウェルブになってしまったけど、帰りにケーキ買ってもらった。
これで色々しぶってたものに金が回る。
ちょっと調子悪い悠を病院に連れて行けるし、壊れてる玄関のチャイムを買い替えられる。
借金返済にも助かる。
結局、金にモノいわされたような気もするけど、とりあえず仲直りはした。
でも、合格して欲しいねん。ほんまに。
それが自信にも、信用にもなると思う。
今まで色々苦しんで仕事してたん知ってるから、頑張って欲しいねん。
ダンナの頑張りを信用してたら大丈夫なんかもしれんけど、そういう次元じゃないねん。
ダンナの脳ミソの要領を知ってるから、99%の努力しかない。
ガタガタ言わんと、納得して本気で頑張って欲しい。