生まれた時から色んな動物に囲まれて生きてきました。
犬、猫、うさぎ、ハムスター、モルモット、カメ、金魚、そして鳥…
昨日の日記では2年前にインコとの運命的な出会いが云々と語りましたが、思い返せばこれまでの人生、鳥に関わることが多かったように思います。
例えば、つばさは酉年です🐔
いや、これは単なるまぐれに過ぎませんね(笑)
でもでも!それだけじゃないんです!
少し苦くて、でも大切な、
子供の頃の思い出話をさせてください。
つばさのおじいちゃんは大の鳥好きでした。
文鳥やセキセイインコはもちろん、ちょっと珍しい鳥(というか飼っていいのか?)もたくさん飼っていました。
小さい頃、おじいちゃんの家で生まれた文鳥のヒナを貰って、挿し餌から育てたことがあります。実質育てたのは母ですが。
文鳥だから文ちゃん、とても安直な名前の、桜文鳥。
水浴びをよくする子で、母がお風呂に行くときは、洗面器に水を張って一緒に入浴気分に浸る、愛嬌のある子です。
実はつばさは、文ちゃんが少し怖くもありました。母にはとても懐いているのに、つばさや兄や父には目を三角にして怒るのです。
今となっては文鳥の性質なんだな、と理解も出来ますが、まだ幼かったつばさには、怒って指に噛み付いてくる文ちゃんが怖くて少し苦手でした。
それでもかわいいかわいい、家族の一員でした。
8月。夏。
文ちゃんは7年生き、そして私の誕生日に亡くなりました。
単純に歳だったのかもしれません。
もしかしたら、何か病気を抱えていたのかもしれません。今となっては真相も分かりませんが、亡くなるひと月ほど前から、わずかな異変はあったように思います。
誕生日、つばさは家族と従姉妹と出かけて、当時流行っていたお茶犬のオモチャを買ってもらいました。
ほんのりお茶の香りがするオモチャです。
うれしくてうれしくて、幸せな気持ちで家に帰りました。
リビングに入った時、ふと視界に入った文ちゃんのケージ。いつも止まり木の上で羽繕いをしている文ちゃんが、その時はケージの底で丸くなっていました。
荒い呼吸を繰り返す文ちゃん。
どうしたの!!?
どこか痛いの!!!?
一番文ちゃんを可愛がっていた母の、慌てた声が聞こえました。
つばさはオモチャなんか放り投げて、文ちゃんのケージに駆け寄った記憶があります。
小さな文ちゃんを両手でそっとすくい上げました。
家族みんなが見つめる中、文ちゃんは一度瞬きをして、つばさの手の中で静かに眠りにつきました。
文ちゃんは、私たち家族が帰ってくるのを待ってていてくれました。
そして、家族の顔を見て、安心して眠ったのです。
いま思い返せば、つばさが温もりを感じる程に、文ちゃんに触れたのは、この時が初めてだったように思います。
小さな温かい身体が、少しずつ冷たくなっていく感覚を手に、つばさは思いました。
文ちゃん、一人にして、ごめんね。
待っていてくれたの?ごめんね、ありがとう。
大好きな母ではなく、私の手の中で眠ったこと、文ちゃんはどう思っただろう。
やっぱり大好きな母の手の中で眠りたかったかな。どうして文ちゃんの最期の瞬間を、母に送らせてあげなかったんだ。一番文ちゃんを可愛がっていたのは、母なのに。
文ちゃんの最期の気持ちを思うと、なんだか少しだけ、今でも罪悪感があるのです。
でもつばさの手から逃げずに、最期に温もりを教えてくれたこと、命の重さを肌で感じさせてくれたこと、文ちゃんにはとても感謝しています。
人生で最初の、身近な存在の死は、つばさに余すことなく命の尊さを教えてくれました。
文ちゃん、ありがとう。
そんな感じの、苦くて、でも大切な夏の思い出。