スピンオフ編~東京都台東区谷中・作品より庭の石に感動しました『朝倉彫塑館』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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全国各地のビーフカツを紹介している超変人の超マニアックなブログです。最近は国内、韓国、中国などのB級グルメについても書いています。

ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都台東区谷中の

『朝倉彫塑館』です。

 

最寄駅は

JR山手線/京浜東北線/常磐線

京成電鉄、日暮里舎人ライナーの『日暮里』。

 

JR駅北改札西口から徒歩5分

台東区立の美術館です。

 

大分県出身で明治から昭和の彫刻家

朝倉文夫氏(1883.03.01-1964.04.18)の

アトリエ兼住居を改装したものです。

 

ちなみに

私が街角アート編でよくご紹介する

朝倉響子氏(1925.12.09-2016.05.30)は

朝倉文夫氏の次女です。

 

鉄筋コンクリート造りの旧アトリエ部分と

数寄屋造りの旧住居部分で構成される

和洋折衷の建物は

朝倉氏自らが設計したものです。

 

朝倉氏は

1907(明治40)年

東京美術学校(現、東京藝術大学)卒業後に

当地にアトリエと住居を構えました。

 

当初は小さなものでしたが

増改築や敷地の拡張、建替えを経て

1935(昭和10)年に

現在の建物が完成しました。

 

門を入り頭上を見上げると

屋上から誰かが地上を見下ろしています。

 

1924(大正13)年

氏が41歳の時に発表した

『砲丸』という作品ですが

詳しくは後でお話し致します。

 

館内で撮影が許されているのは

1階アトリエの指定部分と天王寺玄関の外

2階の蘭の間、屋上の4か所のみです。

 

こちらの画像は

1階アトリエの撮影ポイントから撮ったもので

アトリエの2/3が写っています。

 

正面の巨大な像は

1938(昭和13)年の作品で

『小村寿太郎像』。

 

オリジナルは中国の大連市にありましたが

破損して現存しないことから

日本国内に残された母型を使い

FRPで再現されたレプリカです。

 

こちらもアトリエの撮影ポイントから。

 

建物の中央に位置する中庭で

『五典の池』と呼ばれる

大きな池を中心に構成されています。

 

朝倉氏は

この庭を自己反省の場として設計し

仁、義、礼、智、信と名付けられた

5つの巨石が配されています。

 

こちらは第2の撮影ポイント

天王寺玄関

家族はこちらから出入りしたそうです。

 

門と玄関の間には

小さな庭がありますが

その素晴らしさに圧倒されます。

 

この庭には

朝倉氏が集められた奇石が置かれ

石フェチを喜ばせてくれます。

 

朝倉氏は

水の信仰者を自認していました。

 

そのためでしょうか

水を受ける窪みを持つ石が

いくつか見受けられます。

 

前掲の2つの石は

自然に窪みができたようですが

こちらは明らかに穿たれていますので

蹲の役割をなしていたのだと思います。

 

腰を下ろしたくなるような石

もちろん許されることではありませんが。

 

小さな池に浮かぶ山のような石

これだけで深山幽谷が

表現されているように感じます。

 

他とは趣きが異なりますが

ワニが振り向いたような石

なんとなくユーモラスです。

 

第3の撮影ポイントの屋上へは

この急な階段を上ります。

 

滑りやすいので

雨の日は閉鎖されます。

 

この日は小雨模様でしたが

ぎりぎりセーフでした。

 

屋上の大部分は元々は菜園でした。

 

朝倉氏が当地で

『朝倉彫塑塾』を開いていた時

必修科目に園芸を設け

屋上を実習場にしていたそうです。

 

屋上の縁に置かれている作品は

朝倉氏と親交のあったアメリカの美術史家

ラングドン・ウォーナー博士の像です。

 

そして

屋上の突端にある作品が

前述した『砲丸』です。

 

左手で砲丸をつかむ構図の像は

屋上のどの方向からも

表情を見ることはできません。

 

屋上から階段を下り

第4の撮影ポイント蘭の間に向かいます。

 

階段を下りたところで屋上を見ると

『砲丸』の左半分を見ることができます。

 

蘭の間の入口近くに

不思議なものがあります。

 

浴槽のように見えますが

朝倉氏の露天風呂だったのでしょうか?

・・・そんな訳はないかな。

 

でも

豚の口には吐水口があります。

・・・やっぱり露天風呂かな?

 

蘭の間

部屋には猫をモチーフにした

小さな作品が展示されています。

 

サンルームのこの部屋は

元々は東洋蘭の温室でしたが

猫の間とも呼ばれています。

 

氏は無類の猫好きで

この部屋で猫と戯れていたそうです。

 

原題は不明ですが

『のぞきこむ』とされています。

 

こちらも原題不明

『憩う』とされています。

 

原題不明

『右前足上げる』とされています。

 

1919年頃の作品ですが原題不明

『背伸びする』とされています。

 

『追羽子』

1919年の作品です。

 

蘭の間の中央にこんな印があります

『ここから屋上の方をご覧ください

≪砲丸⦆が見えます!』

 

雨でガラスが曇り

はっきりとは見えませんでした。

 

初めて見学しましたが

朝倉文夫氏の作品には

朝倉響子さんほどの

興味は湧きませんでした。

 

しかし

庭の石には感動する

本末転倒の人間です。

 

朝倉彫塑館

東京都台東区谷中7-18-1

03-3821-4549

9:30-16:30

月曜・木曜休み

入館料 大人500円

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。Soul Asylumの『Misery』です。