スピンオフ編~東京都中野区松が丘・哲学をテーマにしたユニークな公園『哲学堂公園(前編)』 | Love Beef Cutlet? Eternal Traveler~生涯旅人

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ビーフカツを求め全国各地を彷徨う超変人の超マニアックなブログです。今回はスピンオフ編。ビーフカツやその他の食べ物からは離れ、これまでの国内外の旅などで印象に残っているスポットなどをご紹介します。

 

今日は

東京都中野区松が丘の

『哲学堂公園』(前編)です。

 

最寄駅は

西武新宿線『新井薬師前』。

 

または

都営地下鉄大江戸線

『落合南長崎』。

 

どちらの駅からも徒歩15分

哲学者で東洋大学の創設者でもある

井上円了博士(1858.03.18-1919.06.06)が

1904(明治37)年に

精神修行の場として創設した公園です。

 

園内には

現在、運動場などの施設もありますが

今回は園の中心で

明治から大正にかけて建てられた

ユニークな建物が並ぶ

『時空岡』に焦点を当ててご紹介します。

 

こちらは

『哲学堂』の入口である『哲理門』。

 

1909(明治42)年築のこの門は

一見仏教寺院の山門のようですが

一風変わった建築物です。

 

寺院の山門では

仁王像が立っていますが

この門には・・・。

 

向かって右側には

『妖怪門 天狗 在此内』と書かれています。

 

ストレートに解釈すれば

この門は妖怪の門で

中に天狗がいることになります。

 

ストレートな解釈でよかったようです

中に天狗がいました。

 

向かって左側には

『妖怪門 幽霊 在此内』とあります。

 

確かに幽霊がいます。

 

『哲理門』は哲学の世界への正門で

哲理とは人生や世界の本質などに関する

奥深い道理を意味しています。

 

哲学では

物質(物)ありきとする世界観(=唯物論)と

精神(心)ありきとする世界観(=唯心論)の

2つの考え方があります。

 

その考えの中でも

道理では説明できない不思議『理外の理』があり

円了博士はその不思議を知ろうとすることが

哲学の始まりであるとしています。

 

天狗は物質界の象徴

幽霊は精神界の象徴として

不思議・不可解を表しているとのこと

・・・凡人には理解不能です。

 

園内の建物の内部は

通常非公開となっていますが

毎月第1日曜日

4月29日~5月5日

10月の土日祝日には一般公開され

予約無しでも自由に見学できます。

 

こちらは『宇宙館』

1913(大正2)年の建立です。

 

円了博士は

『哲学は、宇宙の真理を研究する学問である』とし

哲学上の講話や講習会を行うための講義室として

この『宇宙館』を建てました。

 

内部には

横斜めに『皇国殿』という八畳敷の一室を

世界の中の日本を表すものとして設け

哲学は社会・国家の原理をも考究する学とし

世界で最も美しい国が日本としています。

 

中央には

円了博士のご子息の玄一氏が

1940(昭和15)年に設置した

和田嘉平治氏作の

聖徳太子立像があります。

 

こちらは『四聖堂』

1904(明治37)年の建立。

 

円了博士が最も影響を受けた哲学者

釈迦、孔子、ソクラテス、カントの4人を

四聖として祀る堂です。

 

当初は『哲学堂』と呼ばれ

公園名の由来になった建物です。

 

天井の中央には

四聖の名前を記した

四面の装飾額があります。

 

『釈聖』=釈迦。

 

『孔聖』=孔子。

 

『瑣聖』=ソクラテス。

 

『韓聖』=カント。

 

釈迦涅槃像

ご子息の玄一氏が

戦争で亡くなった友人を供養するため

和田嘉平治氏に製作を依頼したもので

1940(昭和15)年に安置されました。

 

こちらは『絶對城』

1915(大正4)年に

図書館として建設されました。

 

円了博士の蔵書を中心とした書籍を

公開する図書館として設置されて

1階右側の書棚に国書・漢書を

左側に仏書を収蔵していましたが

その後、蔵書が他所で保管されたため

現在は図書館本来の機能は果たしていません。
 

書架には最近の本が置かれ

一般公開時には閲覧もできます。

 

正面の壁には

『絶對城』と『真 善 美』の額が掛かっています。

 

『真 善 美』は

哲学の目指すところの

理想を示しているそうです。

 

額の下には

四聖の肖像を彫刻した石碑

『聖哲碑』があります。

 

碑の台石には

『古今東西の哲学者の中から代表して

釈迦、孔子、ソクラテス、カントを祀る』

そんな意味の文が彫られています。

 

『聖哲碑』の前には

孔子の座像が置かれています。

 

2階には閲覧室があり

『書を読んで色々な観念を凝らす』として

『観念脚』と名付けられました。

 

天窓からの光を受ける位置に畳が敷かれ

落ち着いた雰囲気を持つ空間となっています。

 

2階の片隅には『婦人閲覧室』があります。

 

『絶對城』が開設された大正期

婦人が自由に勉学できる場は未だ少なく

より多くの国民に学ぶ機会の提供を目指していた

円了博士が

男子と席を同じくできない婦人でも

気兼ねなく利用できる場として

設けたものと考えられています。

 

屋上には読書後の休憩場所として

『観察境』(観望台)が置かれ

富士山を望遠することもできたようですが

現在は一般公開されていません。

 

園内にはご紹介した他に

『六賢台』などの建物がありますが

10月27日(金)に後編として

改めてご紹介します。

 

哲学堂公園

東京都中野区松が丘1-3-28

開園時間

3月1日~6月30日  8:00-18:00

7月1日~8月31日 7:00-18:00

9月1日~9月30日 8:00-18:00

10月1日~11月30日 8:00-17:00

12月1日~2月末日 9:00-17:00

12月29日~12月31日休園

入場無料

 

次回は、本日15時に他人の迷惑を顧みず私の好きな曲をご紹介するMUSIC編。The Grass Rootsの『Let's Live For Today』です。