わたしはずっとわたしを許していなかった。
自制しないといけない、と思い込んでいた。
辛かったけど、生きる上では仕方がないんだと思ってた。
「みんな我慢してるんだよ。
あなただけじゃないよ。
世間は甘くないんだよ。」
そう言われて、涼しい顔で暮らす人たちを見て、
こんな些細なことがこんなにつらいなんて、
みんなと同じようにできないなんて、
わたしはやっぱりどこかおかしくて、アホみたいに弱いんだ。
そう思ってた。
子どもの頃は、勉強はそこそこできた。
近眼だけど、まあ五体満足だし、太って醜いけどもなんとか正常?範疇だ。
ひどいいじめがあったわけじゃないし、
家族だって大きなトラブルもなく、ちゃんと機能してる。
なのにときどき、気が狂いそうに苦しい。
みんなの考えに同調できない。
なんのために生きてるのかわからない。
でも生きなければ。
そうしながら、中には喜びももちろんあって、
それなりにできることをしたり、
足りなくてものすごく叱られて何故生きてるかわからなくなったりしながら、
なんとか生きてきた。
大人になって、優しい優しい男性と出会い、結婚し、子どもをふたりも産んだ。
これ以上ない幸せ。
幸せ?
家族を愛してる。
家族もわたしを愛してくれている。
幸せ。
ほんとに?
うん、幸せ。
でも、それはほんとかな?
わたしは小さい頃から、自分の中から湧いてくる、有り余る愛情を感じていた。
ペットか、子どもが欲しかった。
この溢れ出る愛情を注ぐ対象を探していた。
夫も子どもたちもほんとうに大好き、愛してる。
それはほんとう。
でも、まだ足りない。
まだ愛したい。
一体なにを?誰を?
幸せなはずなのに、苦しかった。
苦しみ抜いた。
わたしには幸せを受け取る資格がないと思い込んでた。
全部手放してしまいたいと思った。
ら、聴こえた。
感じた?
いいんだよ、
あなたを縛るものは何もないんだよ、
いいんだよ、
いいんだよ
そんな声?
意識?
光?みたいなものを感じた。
上から?
空から?
いや、お腹の底のほう、手の届かない奥の奥から。
ここに、
何かあって、
何か赤い宝石のようなものがあって、
大事なことを言ってる。
そしたら、すべてが変わるのを感じた。
何も変わっていないのに、もうその一瞬前とは全然違う。
うまく言えない。
でもこんな感じ。
わたしの小さな、そして大きな最初の一歩。
そして、それまでもがき苦しみ模索した人生をすべて糧にした、
栄養豊かな一歩だった。
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