土曜日、健一は、美恵子と待ち合わせをして
車でやってきた。
二人は、高速へ乗った。
美恵子は
「イルミネーションの時間前まで、かなり時間があるね。
ちょっと寄り道していい_?」
「どこだ」・・・ぷぷっ、これしか言えないのかしら。
「うん、すぐ近くにね、栗田美術館って、大きな美術館があるらしくて。
陶磁器や焼き物専門なんだけど、ほら、TVで有名な、いい仕事しとしてますね~って人の
お墨付きなんだって。調べたら、建物がいくつもあって、カフェもあるよ」
「まあ・・・いいかもな」ぶっきらぼうに言う。
車はスムーズだ、下りだからだろう。
美恵子が、眠気覚ましのガムをむいて、健一の口に当てる。
パクンとそれを噛んで、健一はなぜか少し照れた、女性に食べさせてもらうなどないから。
美恵子が少し退屈になったのだろう、おしゃべりを止め、窓から外を眺めている。
健一は、運転に集中できるが、眠気覚ましに、少しはしゃべっていたかったが、
自分から、話をふることができない。
しかし
「美恵子・・・」
「ん?」
「俺は、この通り、君が黙ると、何も言えない様な不器用なやつだが・・・」
「いいの、いいの、私がその分、話すから。おしゃべりでしょ?
ああ、病気になってもし私が話せなくなっても、健ちゃんは見ててくれるだけでいいし
だって、今の健ちゃんが好きだから。」
健一は赤くなった。
「見かけは・・・まだまだ、髑髏だぞ?」
「あはは、そんなの、秘書してればなれちゃうよ、お見合いの時だって知ってたわけだし」
「それにね、私、無口なほうが好きかなー。」
また沈黙がつづくが、健一は気にならなくなった。
二人で黙っていても、自然な雰囲気だ。
やはり、少し早めに着いてしまい、美術館へ向かった。
かなり急勾配な小いさな丘全部に、ところどころ、いろいろな美術品の建物がある。
健一は心配になった・・・これを全て見終わる体力があるか・・・
美恵子も、来てみてビックリだ。
「ええ~。こんな坂ばかり?」
とりあえず、外の矢印どおりに進んで、一館づつ、見て回ることに。
健一は、はじめのうちは、急勾配だった坂もなんでもなく、
中を見て回れた。しかし、半分も行くと、すこし息切れがしてきた。
美恵子はそれを見て、地図を広げ「カフェが近くだって・・・」と
一休みした。抹茶シフォンと抹茶を頼んだ二人。
健一は、抹茶など、アメリカで茶道をやらされた以来だ・・・
こんな苦いものを、と思いながら飲んだな・・・
やはり、苦い・・・しかし、その苦味も、うれしかった。
美恵子は「健ちゃん、泥棒になってるよ?」
「?」
「口の周りが、緑色のわっか!クスクス・・・」
「あ・・・」と、紙ナピキンで拭いた。
なんとか、一周できた。
美恵子は、正直、健一と途中で引き返すことになると思っていた。
健一もだ。
「まさか、この丘を一回りできるとは」
「なんか、私までうれしい!」
と、飛びつくように腕を組んできた。
健一は驚いたが、少し赤くなって、そっぽを向き、そのまま、丘を下っていった。
美恵子は、えへへ、と言う顔をしていた。
だって、絶対に、健ちゃんは、自分から、手なんかつながないもんねーと思って。
イルミネーションの会場へついた。
すごいものだ!関東一だけはある。広い会場一面が
ホタルイカやホタルが飛んでいるように見える。いや、光るビーズか。
遠くのものなど、キツネ火かと思う
蒼を貴重に、黄色、赤・・・鮮やかな幻想的な風景に
二人は見惚れていた。
北関東だ、東京より少し寒い、クリスマスも近くの時期は、空っ風も吹く。
二人ともコートとマフラーを用意していて、マフラーをぶら下げていたのを
首に巻いた。
空っ風は思ったより強く、体感温度をさげる、美恵子は手袋をしようと、ポケットから
白い手袋をした、それでも寒く、はーはーと、白い息を手にかけている。
鼻の頭も、赤くなるほど寒い、そんな美恵子の顔を、健一はちらちらちみて
寒さではなく、赤くなる。
寒い風が吹いてくるので、健一が「風上へ行こう」と、美恵子と奥のほうへ行き、
ちょうど、ついたてになるようなレンガの小屋の壁の横に立った。
美恵子はそれでも、さむそうに、手袋をはーはーとやっている。
健一は、そっと美恵子を前に引っ張り
美恵子が「?」と思っていると、
黙って、自分が後ろになって、コートの前を広げ、美恵子を包むようにし、
美恵子の両手を、自分のコートのポケットに入れた・・・
コートがめくれないように、そのまま後ろから、そっと抱きかかえている。
美恵子が感激して、小さな声で言う・・・
「あったかいね、コートだけかけてもらうより、お腹と背中がくっついてるほうが
ずーっとあったかい・・・ポケットの手もすごくあったかい」
健一は「まあな」と一言、言うだけだった。
二人は黙って、ずいぶん長いこと、イルミネーションを見ていた・・・。
車でやってきた。
二人は、高速へ乗った。
美恵子は
「イルミネーションの時間前まで、かなり時間があるね。
ちょっと寄り道していい_?」
「どこだ」・・・ぷぷっ、これしか言えないのかしら。
「うん、すぐ近くにね、栗田美術館って、大きな美術館があるらしくて。
陶磁器や焼き物専門なんだけど、ほら、TVで有名な、いい仕事しとしてますね~って人の
お墨付きなんだって。調べたら、建物がいくつもあって、カフェもあるよ」
「まあ・・・いいかもな」ぶっきらぼうに言う。
車はスムーズだ、下りだからだろう。
美恵子が、眠気覚ましのガムをむいて、健一の口に当てる。
パクンとそれを噛んで、健一はなぜか少し照れた、女性に食べさせてもらうなどないから。
美恵子が少し退屈になったのだろう、おしゃべりを止め、窓から外を眺めている。
健一は、運転に集中できるが、眠気覚ましに、少しはしゃべっていたかったが、
自分から、話をふることができない。
しかし
「美恵子・・・」
「ん?」
「俺は、この通り、君が黙ると、何も言えない様な不器用なやつだが・・・」
「いいの、いいの、私がその分、話すから。おしゃべりでしょ?
ああ、病気になってもし私が話せなくなっても、健ちゃんは見ててくれるだけでいいし
だって、今の健ちゃんが好きだから。」
健一は赤くなった。
「見かけは・・・まだまだ、髑髏だぞ?」
「あはは、そんなの、秘書してればなれちゃうよ、お見合いの時だって知ってたわけだし」
「それにね、私、無口なほうが好きかなー。」
また沈黙がつづくが、健一は気にならなくなった。
二人で黙っていても、自然な雰囲気だ。
やはり、少し早めに着いてしまい、美術館へ向かった。
かなり急勾配な小いさな丘全部に、ところどころ、いろいろな美術品の建物がある。
健一は心配になった・・・これを全て見終わる体力があるか・・・
美恵子も、来てみてビックリだ。
「ええ~。こんな坂ばかり?」
とりあえず、外の矢印どおりに進んで、一館づつ、見て回ることに。
健一は、はじめのうちは、急勾配だった坂もなんでもなく、
中を見て回れた。しかし、半分も行くと、すこし息切れがしてきた。
美恵子はそれを見て、地図を広げ「カフェが近くだって・・・」と
一休みした。抹茶シフォンと抹茶を頼んだ二人。
健一は、抹茶など、アメリカで茶道をやらされた以来だ・・・
こんな苦いものを、と思いながら飲んだな・・・
やはり、苦い・・・しかし、その苦味も、うれしかった。
美恵子は「健ちゃん、泥棒になってるよ?」
「?」
「口の周りが、緑色のわっか!クスクス・・・」
「あ・・・」と、紙ナピキンで拭いた。
なんとか、一周できた。
美恵子は、正直、健一と途中で引き返すことになると思っていた。
健一もだ。
「まさか、この丘を一回りできるとは」
「なんか、私までうれしい!」
と、飛びつくように腕を組んできた。
健一は驚いたが、少し赤くなって、そっぽを向き、そのまま、丘を下っていった。
美恵子は、えへへ、と言う顔をしていた。
だって、絶対に、健ちゃんは、自分から、手なんかつながないもんねーと思って。
イルミネーションの会場へついた。
すごいものだ!関東一だけはある。広い会場一面が
ホタルイカやホタルが飛んでいるように見える。いや、光るビーズか。
遠くのものなど、キツネ火かと思う
蒼を貴重に、黄色、赤・・・鮮やかな幻想的な風景に
二人は見惚れていた。
北関東だ、東京より少し寒い、クリスマスも近くの時期は、空っ風も吹く。
二人ともコートとマフラーを用意していて、マフラーをぶら下げていたのを
首に巻いた。
空っ風は思ったより強く、体感温度をさげる、美恵子は手袋をしようと、ポケットから
白い手袋をした、それでも寒く、はーはーと、白い息を手にかけている。
鼻の頭も、赤くなるほど寒い、そんな美恵子の顔を、健一はちらちらちみて
寒さではなく、赤くなる。
寒い風が吹いてくるので、健一が「風上へ行こう」と、美恵子と奥のほうへ行き、
ちょうど、ついたてになるようなレンガの小屋の壁の横に立った。
美恵子はそれでも、さむそうに、手袋をはーはーとやっている。
健一は、そっと美恵子を前に引っ張り
美恵子が「?」と思っていると、
黙って、自分が後ろになって、コートの前を広げ、美恵子を包むようにし、
美恵子の両手を、自分のコートのポケットに入れた・・・
コートがめくれないように、そのまま後ろから、そっと抱きかかえている。
美恵子が感激して、小さな声で言う・・・
「あったかいね、コートだけかけてもらうより、お腹と背中がくっついてるほうが
ずーっとあったかい・・・ポケットの手もすごくあったかい」
健一は「まあな」と一言、言うだけだった。
二人は黙って、ずいぶん長いこと、イルミネーションを見ていた・・・。