ずんは、まだ2年生だが、勉強会で、志望校のことを話し始めた。
親は、本庄早稲田か浦和高、または、寮暮らしで開成など・・・


ナべべはずんに優しく「よーくよーく、本当に何が自分でやりたいか、
考えてみてって、いったよね。答えはまだでないのですん?」
「子供のころから、弁護士を継げって・・・子供のころはそうなのかなしか
思ってなかったから。何をしていいのか・・・」
ナべべは「ゆ~くっりでいいよ。どの高校に行くかだけは、自分で選んで
高校になってから考えたっていいわけですん・・・」


ずんとシズだけは、ナべべの正体をナべべ本人から聞いていた。
つねづね、どこでそんな勉強方法をと訝しがられていたから、そのほうがいい。
もちろん、誰にも絶対に言わない約束だったから、
他の仲間にも、言っていない。


知っているのは、ミドとこの二人、赤丸の連中だけだ。
飯場の皆に知らせると、ナベベが上司になってしまうので、言っていない。


ずんは「ナベにぃはさ、どうだったの?レールを歩かせられてたわけじゃん・・・」
「だね・・・。おれは、あんながんじがらめを、今頃こうやってやっと・・・
遅い反抗期?だけど、社に戻るよ。そういう約束だったし。イッキの事業でここが
変わっていくのが・・・おれは、イッキでもっともっと、いろいろしたくなった。」


ずんは「そっか・・・ナベにいは、今が反抗期か、おれは今だぜ、あはは」


ナべべはミドとシズにも聞いた「二人は、なにがしたいんだっけ?」
シズは恥ずかしがって「・・・考古学者」・・・おおおおとの声
ナべべは「シズちゃんは、歴史が好きだもんなぁ、将来はエジプトかな?」
シズは「私は・・・歴史も好きだけど、発掘を少しづつ少しづつ、刷毛とかで土をはらって
そういうことがしてみたいんです・・・何が出てくるのか・・・」
皆、「なんだか、シズちゃんらしいなあ~・・・こつこつとさ、楽しみを、こつこつ」


ミドは黙ってる。
ナべべも折に触れてはなんとなく聞き出そうとしても言わない、はぐらかされる。
けれど、ミドは
「とりあえず、将星学園に入りたい・・・」ここも、ずんほどではないが、
隣県にある難関だ。
ナべべも皆「へえ・・・。けど、今のように成績が上がっていったら、大丈夫だよ」
シズが「その先は・・・?」
ミドは、少し赤くなって「・・・笑わない?」
うんうん、とみんな、真剣な顔だ。特にナベべは、真剣な顔になると、一見怖いが
それが怖いほど、真面目なのだ。


「・・・芸能人・・・」
・・・・・・・はあ!?
ナベベが一番驚いて「えっええーーー!なんで~?しかもなんで将星学園?」


ミドが「ユネスコの親善大使みたいに、芸能人なら、皆が見る・・・苛め撲滅運動がしたい。
だけど、色々と勉強したほうが、難しい質問とかにも答えられるし、
苛められても、ちゃんと高校へ行けるって知らせたい、あ、あと、大学もいく。
心理学を勉強したいから・・・」


皆、意外な答え・・・いや、ミドの今までを考えたら、当然の答えなのかもしれない。
ずんは「俺のせいもあるな・・・。ごめんな。応援する。
そして「俺、今、決めた。俺も将星学園にする!」
ずんなら、楽々だろう。しかし、親との攻防が始まるだろう。


シズは「じゃ、私も将星。大学で考古学するには、地学とか歴史とか…詳しい学校がいい。
無理かなって思うけど、二人が行くなら、頑張る!」


ナべべは、目を細めて、中学生らしいまだまだ甘い考えだが、
夢を語れる若者を・・・ボーっと見ていた。