そこへ、りねちゃんの両親が入ってきた。母親は、赤ん坊を抱っこ紐で抱いている。
父親のほうが、こらえきれずに、美恵子に「命の恩人です!」と言って
泣きながら、骨折をしていない右手を強く握った。
温かい温かい【父親】のぬくもりだ・・・と父親とはこういうものか、と美恵子は感じた。
「りねは・・・男ばかりの中の唯一の女の子で、大事なあまりに甘やかしてしまって・・・
少し奔放なところがあるにもかかわらず、親の不注意です、すみません、すみません・・・」
母親も、子を抱っこしたまま、「お礼のいいようが・・・」
父親は「俺は・・・りねがもし死んでいたら、俺は生きていけないです、
俺の命の恩人でもあります」と、ぽろぽろと泣いた。
そして「まだこんな時にどうかと思いますが、賠償いたしますので」と健一に名刺を渡す。
見ると、下町の中小工場の名刺で、どうやら、雇われているほうのようだ。
健一は、ついくせで「こういうものです」と自分の名刺を渡した。
両親はその名刺に驚いた・・・。「どうしたらいいのでしょうか!!」
健一は
「賠償など・・・要らないですよ、社の病院もありますし、ほとんどお金はかかりません、
な、小山君、それでいいだろう」
美恵子は「もちろんです」と答えると、両親は「それではこちらの気持ちが・・・」
続いていった「お金ではなくてなら・・・何かしらお礼を・・・」とまだ言うので
美恵子は、途切れ途切れの言葉で
「じゃあ、りねちゃんが・・・良くなったら、可愛い絵でも・・送ってくださいね」と言った。
りねの父親は、かなり図体もがっちりした大男だが、
よほどの出来事だったので、いつまでも泣きじゃくっている。
母親も鼻をすすりながら、父親の背中をさすっている・・・
そして、2人と赤ん坊は、また深々とお辞儀をし、出て行った。
飯島が、ずっと黙っていたが、
「いい家族なんでしょうね。りねちゃんが本当に無事で
よかった・・・美恵子ちゃん、無茶なところがあるけど、今回はよかったわね。
でも、自分の命も大事にしなきゃね、こういうの、命知らずっていうのよ」
美恵子は「飯島さん、なんだかお母さんみたい」とくすっと笑った。
健一も、飯島さんはおせっかいだが、きっといい家庭なのだろう、
その家族でよく保養所にきては、楽しんでくれているのだろうと思った。
そんなことを思っていると美恵子は
「ああ・・・まだ手のぬくもりがのこってる、あったか・・・い・・・」
と、ぼーっとした声で言った。
また「お父さんって・・・温かいんだね、いいな、りねちゃんは・・・」
普段の美恵子なら、場をわきまえてこんなことは言わないだろう。
麻酔が効いているからか、少々、ぼーっとしているようだ。
飯島が美恵子の頭をなでた。
健一もさすがに何かを感じ取った。美恵子が麻酔でまた寝始めると
飯島さんに「小山君のお父上は、お見合いの席であったきりですが何か・・・」と聞いた。
飯島は、大きくため息をついて「この子にお父さんのことは、考えさせちゃ駄目ですよ」
健一は「よほど酷い父親なのですか・・・?」
飯島は「暴力で育てられたようですから・・・」
そんな風には見えない、おきゃんな美恵子にも、そんなことがあったのか。
飯島は美恵子のベッドの横に、簡易ベッドを置かせてもらい、
健一はロビーのの長いすで一夜を過ごした。
健一は、なかなか寝付けなかった・・・。
父親のほうが、こらえきれずに、美恵子に「命の恩人です!」と言って
泣きながら、骨折をしていない右手を強く握った。
温かい温かい【父親】のぬくもりだ・・・と父親とはこういうものか、と美恵子は感じた。
「りねは・・・男ばかりの中の唯一の女の子で、大事なあまりに甘やかしてしまって・・・
少し奔放なところがあるにもかかわらず、親の不注意です、すみません、すみません・・・」
母親も、子を抱っこしたまま、「お礼のいいようが・・・」
父親は「俺は・・・りねがもし死んでいたら、俺は生きていけないです、
俺の命の恩人でもあります」と、ぽろぽろと泣いた。
そして「まだこんな時にどうかと思いますが、賠償いたしますので」と健一に名刺を渡す。
見ると、下町の中小工場の名刺で、どうやら、雇われているほうのようだ。
健一は、ついくせで「こういうものです」と自分の名刺を渡した。
両親はその名刺に驚いた・・・。「どうしたらいいのでしょうか!!」
健一は
「賠償など・・・要らないですよ、社の病院もありますし、ほとんどお金はかかりません、
な、小山君、それでいいだろう」
美恵子は「もちろんです」と答えると、両親は「それではこちらの気持ちが・・・」
続いていった「お金ではなくてなら・・・何かしらお礼を・・・」とまだ言うので
美恵子は、途切れ途切れの言葉で
「じゃあ、りねちゃんが・・・良くなったら、可愛い絵でも・・送ってくださいね」と言った。
りねの父親は、かなり図体もがっちりした大男だが、
よほどの出来事だったので、いつまでも泣きじゃくっている。
母親も鼻をすすりながら、父親の背中をさすっている・・・
そして、2人と赤ん坊は、また深々とお辞儀をし、出て行った。
飯島が、ずっと黙っていたが、
「いい家族なんでしょうね。りねちゃんが本当に無事で
よかった・・・美恵子ちゃん、無茶なところがあるけど、今回はよかったわね。
でも、自分の命も大事にしなきゃね、こういうの、命知らずっていうのよ」
美恵子は「飯島さん、なんだかお母さんみたい」とくすっと笑った。
健一も、飯島さんはおせっかいだが、きっといい家庭なのだろう、
その家族でよく保養所にきては、楽しんでくれているのだろうと思った。
そんなことを思っていると美恵子は
「ああ・・・まだ手のぬくもりがのこってる、あったか・・・い・・・」
と、ぼーっとした声で言った。
また「お父さんって・・・温かいんだね、いいな、りねちゃんは・・・」
普段の美恵子なら、場をわきまえてこんなことは言わないだろう。
麻酔が効いているからか、少々、ぼーっとしているようだ。
飯島が美恵子の頭をなでた。
健一もさすがに何かを感じ取った。美恵子が麻酔でまた寝始めると
飯島さんに「小山君のお父上は、お見合いの席であったきりですが何か・・・」と聞いた。
飯島は、大きくため息をついて「この子にお父さんのことは、考えさせちゃ駄目ですよ」
健一は「よほど酷い父親なのですか・・・?」
飯島は「暴力で育てられたようですから・・・」
そんな風には見えない、おきゃんな美恵子にも、そんなことがあったのか。
飯島は美恵子のベッドの横に、簡易ベッドを置かせてもらい、
健一はロビーのの長いすで一夜を過ごした。
健一は、なかなか寝付けなかった・・・。