目のいいばーば | ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

ひとりっこの両親在宅介護ブログ(施設入所後)

娘に迷惑をかけまいと、老老・認認介護で限界まで二人暮らしを頑張った両親。でも、遂に限界突破。仕方なく実家に戻ってきて始めた在宅介護。一人っ子のため否応なくやらざる負えない。
平成27年4月じーじは旅立ちました。令和2年1月末、ばーば特養入所しました。

ばーばの部屋にいました。

もこもこの緑色のいもむしが。

晩ごはんを食べ終わった後、いつものようにパジャマに着替えたのを確認してから「おやすみ」と声をかけて、ばーばの部屋を出た私。

台所で片付けものをしていると、ばーばの部屋から
「ドンドンドン」
「ドンドンドンドンドンドンドン」

いつもの手持ち無沙汰の時にやる「ドンドン」よりも、やたら回数が多い。

これは何かあったと思ってばーばの部屋に行くと、
「あれ、取って」
と指を指す。

ばーばが指を指した方を見ると、障子の桟のところに、もこもこの緑色のいもむしがいました。

家には私とばーばしかいません。

虫は苦手なのですが、勇気を出して、割り箸でいもむしを挟み、ビニール袋に入れて庭に放り出してきました。

仏壇に供えてあった、庭のキンモクセイの葉っぱにいもむしが付いていたようです。

ばーば、本当に良く目が見えるようです。

いもむしは確かに本物でしたが、ばーばの目には亡くなったはずのじーじの姿も見えているようです。

月曜日の明け方、「ドンドンドスン、バタン」という、こちらも聞きなれない音に飛び起き、ばーばの部屋に行くと、ベッドからずり落ち尻もちをついていたばーば。

ベッドの横の畳の上には、毛布が置いてありました。

そう、そこは確かにじーじが寝ていた場所。

じーじに毛布をかけるために、畳の上に座ったのか、毛布の端を踏んで尻もちをついたのかはわかりませんが、とにかく一人では立ち上がれない状態でした。

なんとかお尻を持ち上げ、ベッドに座らせることができました。

最近、ばーばはしょっちゅう
「だ〜れも、おらん」
と言っています。

いやいや、同じ家の中に娘の私いるでしょう、と突っ込みたくなりますが、どうやら自分の部屋に、自分以外誰もいないと訴えたいようです。

つまりは、いままでずっと同じ部屋で、隣で寝ていたじーじがいないと言いたいようです。

寂しいんでしょうね。

じーじの記憶も、寂しいという感情も無くなれば、辛い思いをしなくて済むのに。

夜中に「ドンドンドンドン」と壁を叩くのも、側に誰かいて欲しいという気持ちの現れなのかもしれません。

でも、無理です。

ポータブルの置いてある、尿臭漂う部屋で、私は一緒に寝ることはできませんから。






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