今日は、いつものかかりつけ医へ月一の定期受診日。
予約の時間に行くと、待合室は患者さんでいっぱい。
もちろん、熱があって具合の悪そうな人も何人か居たけれど、付き添いの人に連れてきてもらっている高齢者の方が多かった。
息子さんと一緒に来ていたおじいちゃんは、手押し車を押していた。
娘さんかお嫁さんかはわからないけど、女性と一緒に来ていたおばあちゃんは普通の杖をついていた。
二人とも、介助がないと歩けない様子。
その二人が注目したのは、ばーば。
名前を呼ばれると、片手は椅子に手をかけ、もう片手は四点杖を持ち自分で立ち上がり、両手に四点杖を持ち歩き出すばーば。
ばーばの様子をガン見していたおじいちゃんは
「あの人みたいな杖だったら安定感があるなぁ。ワシもああいうのがエエわ。」
おばあちゃんも
「あんな風にしっかり自分で歩きたいわ。」
と言っていた。
二人に注目されながら、そんなこと言われていても全く聞こえてないばーばは、よっこらしょと立ち上がり、自分一人で診察室まで歩いて行きました。
今日の診察は、特に検査も予定されていなかったので、
『今月も変わらず元気でした』
というのを先生に見せて、いつもの薬をもらうためだけの受診。
ばーばを診て先生は、
「お元気そうですね。血圧も安定しているし、浮腫みもひどくない。」
と、ホッとした様子。
なんだか他の高齢の患者さんは、点滴したり、紹介状書いて総合病院に行ってもらったりしているみたい。
看護師さんたちも、バタバタ忙しそうに動いている。
ばーばと私の二人の空間だけ、周りとスピードが違って、時間がゆっくり進んでいるような気がした。
そう、ばーばの衰えていくスピードはとてもゆっくり。
足が悪くなったのは、もう15年以上前からだけど、四点杖二刀流という歩き方をマスターしてからは、坂道や階段でないところでは、ほとんど介助はいらない。
歩くことが大変な高齢者からは、たとえスマートな歩き方ではないけれど、自分で歩いているばーばの姿が羨ましく思えたのかもしれない。
ばーばの状態が安定していると、つい永遠にこの状態が維持できるのでは、なんて錯覚してしまいそうになる。
でもね、そんなことは絶対にない。
それはわかっているけれど、今のまま、ごはんもいっぱい食べられて、自分で歩けて欲しい。
そう願ってしまう。