仕事から帰るとじーじが何やらわめいている。
ばーばが涙声で私に訴える。
「外に出たい。散歩に行きたい。」
「なんでお前は歩けん?」
「なんで寝てばっかおる?」
と、じーじが言い続けたらしい。
「私は歩きたくても歩けんのに、じーじがずっといじめる。」
この時点で私は相当頭に血が登っていた。
「じゃあ寒いけど、今から私と散歩に行こう。」
と、じーじと出かけた。
頭に来ていた私は、いつものスーパーではなく、少し遠い神社まで行く事にした。
神社に着く頃にはすでにふらふら。
でも歩いて来た以上、歩いて帰らなくてはならない。
途中までじーじのスピードに合わせていたが、この調子では家に着く頃には真っ暗になってしまいそう。
脇を支え無理矢理歩かせた。
なんとか車のこない団地内まで来ると、ついにじーじが座り込んだ。
そのまま放置して、車を取りに一旦家に帰る。
車でじーじを放置したところまで行くと、じーじが前のめりに倒れていた。
おでこと足にすり傷が。
なんとか抱え込み車に乗せ家に。
とりあえず、ばーばのベッドに座らせる。
もうこの時、怒りを抑える事ができなかった。
「歩けない人の気持ちがわかった?」
「自分だって散々外に出たいってわめいたくせに、歩けないじゃん。」
「ばーばが、じーじに外に出るなって言うのは、じーじがもうまともに歩けないから、外に出たら危ないからそう言ってるのに。」
これだけ言ってるのに、反抗的な目で私を見て、ふらふらの状態なのに私につかみかかってきた。
つい、バシっと頬を平手打ちしてしまった。
それでも、まだ睨みつける。
そのままばーばのベッドに寝かせたまま、二階に上がってきた。
傷の手当もしていない。
ばーばはオロオロしてるだけ。
もう嫌。この世から消えて欲しい。