hideから少し離れて、XのHIDEを見返している。

Xのギタリストとして。

ギターを奏でるHIDEも、かっこよく、美しく、とても素敵だ。

HIDE を見ていると、hideを失った悲しみも苦しみも、

和らいでいく気がする。


音楽に目覚めた思春期ーー  中学生。

最初に好きになったのが、Xだった。

hideがいなくなって27年が経とうとした今年の冬。

封印していたhideを、取り戻す事が出来た私。

それからhideにべったりな私は…

Xも聴き直そうとしているけど、とにかく時間が足りず、それが出来ずにいた絶望

少しだけだけど、こうやってXを聴き直してみると

今もやっぱり、とてつもなくXが好きだと思う。

あの頃にも増して。

まだ何の汚れも知らず、自分というものを確立しつつある10代中盤。ただ、純粋な心で。ただ真っ直ぐに。本当の自分で好きになったものだから、今も変わらず好きだと思うのだろうか。この頃好きになったものって、やっぱり本物かもね。


私はもう、物心ついた頃から孤独だった。

Xに出逢って、YOSHIKIの生み出す詞の世界が

とても好きだった。常に隣り合わせの、生と死。

美しい詞もそうだけど、

血,赤い手首,切り刻む,青白い,涙,独り・・・

そんな、影を持った表現が…好きだった。

ピアノとドラム。静と動。正反対なこの二つを

見事に操る、Xの世界観が好きだった。

バラードの曲は、痛いほど心に突き刺さる。

ドラムの激しい曲は、全身の血が騒ぎ出す。

YOSHIKIから紡ぎ出された言葉は、TOSHIのハイトーンボイスを通じて 魂が宿る。


The Last Song は、涙が流れない事がない。


一番好きな、Rusty Nail 。


素顔のままで生きて 行ければきっと

瞳に映る夜は 輝く夢だけ残して

朝を迎える 孤独を忘れて

赤い手首を 抱きしめて泣いた

夜を終わらせて


記憶の扉を閉ざしたままで 震えて

途切れた 想いを重ねる 青い唇に

Oh - Rusty Nail 


どれだけ涙を流せば

貴方を忘れられるだろう

Just tell me my life 

何処まで歩いてみても

涙で明日が見えない


苦しくて心を飾った……今も

あなたを忘れられなくて


ずっと一番好きな曲だったけど、

hideを失って、Rusty Nail の歌詞は私の中で、

現実味を帯びた。



歌詞以上に

私の胸を打つのは、YOSHIKIのセリフ。


I wanna  live to set me free 

( 生きて自分を救いたい )


私の中で、これ以上も、これ以下もない。

この一言が、全て。


Xは…まさに、魅せるバンド。

美しいのに破滅的で、強烈なのに儚い。

危うくて、神秘的。


そして、

人生そのものを、映し出してるバンド。

ヴィジュアル系というジャンルを確立させ

絶大な人気を誇る一方で

数奇な運命を辿り続けた。

輝かしい喜びも、

どうする事も出来ない苦しみや憤りも、

絶望という悲しみも、

Xの物語の中にはある。

人の生き様そのものを、Xというバンドは映し出している。


だから、これ以上はない。Xこそが、最強のバンド。