虹のかかるあのばしょまで | My life didn’t please me, so I created my life.
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母が家をでたのは
まだまだ小さいときだった。
外国人の母は
色が白くとても儚げな人。

大きな瞳は
いつもウルウルで
憂いに満ちていた。


母のいない寂しさを
私は妄想でごまかしていた。

ごまかすうちに

だんだん
常に妄想の中に生きていた。

見えない友達が沢山出来たし

お人形遊びが得意だった。

絵を描かせると
チラシが黒くうまるくらい
描き続けていた。

落書き帳は、2日で使い果たした。

心配した父は
カウンセリングに通わせた。

しかし
カウンセリングの先生も入り込めない
そんな子供だった。

父子家庭は、大変だった。

祖母が田舎から出てきて
一緒に暮らし出した。

大好きだった


シワシワの手が。

野菜も畑で育てたし、
お裁縫だって教えてくれた。

外国人の容姿で
日本語しか話せない
変わり者のわたしは
いじめられたりもした。

机に
ネズミを入れられたり

頭から泥水を浴びたりもした。

そんなとき、

私はシンデレラなの。

とまた、妄想の世界へ身を投じるの。


夏休みに描いた絵が
表彰された。

父はリビングに
その絵を飾った。

そして
私を絵画教室へ通わせてくれたが、

どうにも
決められたデッサンや絵が上手く出来ない。

父に話したら

すぐにやめてイイといわれ、

部屋の壁紙を真っ白に張り替え


好きなように絵を描かせてくれた。


虹の絵を描いた。


父と、祖母の亡くなった日に見た

綺麗な虹の絵を描いた。