プロボクサー小笠原恵子の自伝『負けないで!』を基にした「ケイコ 目を澄ませて」を鑑賞映画

生まれつきの聴覚障害により両耳とも聞こえないケイコ(岸井ゆきの)は、下町の小さなボクシングジムで日々練習に励んでいた。彼女はプロボクサーとしてリングに立ち続けながらも、心中は不安や迷いだらけで、言葉にできない葛藤を募らせていた。「一度、お休みしたいです」とジムの会長(三浦友和)宛てにつづった手紙を渡せずにいたある日、彼女はジムが閉鎖されることを知る。(シネマトゥデイより)

 

未読だけれど、プロボクサー小笠原恵子の自伝『負けないで!』が原案の作品。

第72回ベルリン国際映画祭エンカウンターズ部門に選出された、生まれつき耳が聞こえないプロボクサーと、視力を失いつつあるトレーナーの絆を描いたヒューマンドラマ。

愛想笑いもできない不器用な彼女が自分を解き放つ場所として選んだのがボクシングだったということなんだろうけれど、岸井ゆきのちゃんがケイコを演じることでひたむきさがひしひしと伝わってくる感じ。

実話がベースにあるにしても、試合に勝ってケイコよくやったねという劇的な感動品に仕上げることもできただろうに、ケイコの日常を描いた、静かというより地味な作品。だけど、じんわりと沁みてくる作品だった。