4月機械受注は予想大幅に上回る、円買いなど市場は反応

 [東京 9日 ロイター] 内閣府が発表した4月機械受注統計は、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比10.8%増の1兆1404億円となった。事前予測を大幅に上回ったが、内閣府は「一進一退で推移している」との基調判断を据え置いた。発表直後の外為市場では円買い材料となり、債券先物は伸び悩んだ。


 ロイターの事前予測の中央値は前月比3.3%増だった。製造業は前月比8.0%増、非製造業(船舶・電力を除く)は同13.8%増となった。業種別寄与をみると、製造業からの受注増に寄与したのは、一般機械、紙パルプ、鉄鋼業など。非製造業からの受注増に貢献したのは、その他製造業、運輸業、金融・保険業などだった。


 機械受注統計は、機械メーカーが受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。


 4月の機械受注が市場予想を大きく上回る伸びをみせたことで、4─6月期の受注が、2四半期ぶりにプラスに転じる可能性が大きくなってきた。


 内閣府は4─6月期の受注見通しを前期比マイナス2.5%としているが、5月、6月の受注が前月比でともにマイナス9.6%となっても見通し達成は可能という。5月、6月がマイナス7.1%ずつ低下しても、4─6月期の受注は前期比横ばいとなる。また5月、6月の受注が前月比横ばいとなった場合には、4─6月期の伸びはプラス7.4%になるという。


 それにも係わらず内閣府は基調判断を維持した。これは、3月の受注が4月にずれ込んだ可能性があるためという。3月、4月の受注の平均をみると、2月比で大きな変化は見られない。


 また4月受注の大幅増には、鉄道車両の受注が前年比182.6%も増加するという、いわば特殊要因も寄与している。非製造業からの受注は前月比13.8%伸びたが、そのうち2.5%ポイントの増加はこの要因で説明可能という。内閣府によると、来年夏に導入される新幹線の新型車両の受注が寄与した可能性もあるという。


 ドイツ証券の安達誠司シニアエコノミストは「機械受注の足元でのピークアウトはなさそう」としたものの、量的緩和解除の影響、株価下落の中小企業設備投資への悪影響が今後表面化して、今年終わりあたりから設備投資が減速する可能背があると指摘した。


 発表直後の外為市場では、事前予想を上回った機械受注を受けて、113.95円付近から20銭程度円買いが進む場面があった。


 みずほインベスターズ証券・調査部経済グループ次長の玉田修氏は「事前の予想では強気な見方でも同7%程度だっただけに、前月からの反動増とはいえ、かなり強い内容だ」として、このところ脱デフレを思わせるような指標が続いていると指摘する。


 株式市場では買い戻しの動きがみられたものの、立花証券・情報企画部長の平野憲一氏は「相場の流れを大きく変えるような数字ではない」とコメントしている。


(ロイター) - 6月9日18時28分更新