荷物を運び出し、退去時の最終チェックの日、来てくれたのは社長夫人だった。

アンリが強めの反抗期で、暴れて壁に傷をつけてしまっていたので、敷金を払っていないしと思い、支払ができるように多少予算に入れていた。

ハウスクリーニング代をその場で支払い、借りていた部屋の鍵を渡すと、

経年劣化やな。社長に伝えて、もし修理代が必要ならまた連絡するね。まだまだ大変だろうけど、3人でしっかり頑張ってね(^^)!

経年劣化って..ありがとうございます。社長さんたちに出会わなければ、大変な思いをしていたと思いますし、こんなに頑張れなかったかも知れません。本当にありがとうございました!これからも頑張ります!

とにかく、目一杯の気持ちを込めてお辞儀をした。

菓子折りでも渡そうか迷ったが、人から物を貰うのを極端に嫌う方だったので、意を決して手ぶらで挑んだ。


あれからちょうど半年経つけど、未だに連絡はない。


最後の最後まで甘えただけで、何のご恩返しもしてない(>_<)

引っ越し先が近いから、またお会いしたときに、今よりもっともっと自立した状態でお話ができたらいいな。





保護されて施設で生活を始めてから7年ぐらい経ちました。

いったい私は何人の方に救っていただいたんだろう。

どれだけの方に大丈夫だよと声を掛けていただいたんだろうと思うと、胸がいっぱいになります。

今、仕事がとても大変で、大変で、何をしたらいいのか、私に何ができるのか、常に考えていて、キーってなるときがあります。

そうだ。私たち家族を助けてくれた人たちのことを想っていたら、きっと乗り越えられる!

頑張ろう。頑張るしかないぞ!踏ん張るぞー!!