これは創作神話です。


■世界の成り立ち

はじめ、光も闇も風も音も無くただ虚無だけが永遠に広がっていた。


ある時、無の中に小さなつぶが産まれた。それは時間をかけて脈打ちはじめ、熱を帯び、燃え上がり、爆音と蒸気と灼熱と稲妻を放ちながら瞬く間に大きく広がり、世界を構成するあらゆる物をグツグツ煮詰めてかき混ぜた渦のような物になった。


どれだけ時間がたったか、ある時混沌とした渦から六柱の神が生まれた。

まず最初に双子の神、ゾールとアルクロス。続いてメルキオ、スクートム、女神マイア、最後にザウィード。


ザウィードは価値のあるものは何も無いとさえ思えるこの混沌とした世界をもっと快適に過ごせるよう作り替えることを提案した。


そこでマイアとアルクロスは二人で神々の世界のあらゆるものを産み出した。

二人は夫婦であり、天空と大地である。そしてあらゆる物とは太陽、星、月、海、山、川、森など文字どおりあらゆる物であり、同時に神々のことでもある)

産み出された物を配置するのはゾールの役目だった。


神々の世界の下には地・水・火・風の四大精霊界が作られ、その下には人間界が作られた。


人間界が完成すると、精霊たちの半分が人間界へ移り、妖精(シー)や亜人(デミヒューマン)になった。


■ギガントマキア

人間が造られる前、亜人の中で最も強大な種族であるジャイアント(ギガースとも)の半分が、人間界を自分たちのものにしようと反乱を企てた。


残り半分の巨人はそれを止めようとする者と、中立の者に分かれた。


激しい戦いがおこり、反乱を阻止しようとした巨人たちが敗れ、生き残ったものは小さくなってしまった。

(タイニートロールとリトルトロールの誕生)


反乱を知った神々は多くの精霊や亜人たちを引き連れて巨人たちと戦った。


ドワーフたちと、巨人の中でも醜く、蔑まれていたサイクロプスは、神々のために魔法の武器を造った。


また、サイクロプスと同じようにその醜さから蔑まれていたヘカトンケイルは、神々の味方となり前線で戦った。


神々の軍勢はジャイアントを撃ち破り、奈落の世界へ閉じ込めた。


ヘカトンケイルは奈落の世界からジャイアントが出てこないよう監視することになった。


ジャイアントの反乱が鎮められた後、神々は人間を創造した。人間は神々の姿に似せて造られた。


世界を創造して力を使い果たしたアルクロスとマイアは、子供と兄弟たちに世界を託し、長い眠りにつくことになった。


■善と悪の戦い

アルクロスの兄であり神々の長であるはずのゾールは、アルクロスの眠りに乗じて11柱の悪神を従え、世界の法やバランスを無視し、自然を破壊したり、勝手に作り替えたり、魔物を産み出したり、自分たちの欲望のままに振る舞うようになった。


神々も人間も亜人も妖精も善の軍勢(ライトサイド)と悪の軍勢(ダークサイド)に分かれて壮絶な戦いが始まった。


戦いは奈落の世界にまで広がり、扉が開かれ、かつてのジャイアント、堕落してすっかりトロールへ変わってしまった者たちが悪の軍勢に加わった。


この戦いにおいて善の軍勢の中でも特に勇猛果敢に戦ったのがスクートムだった。


最終的に善の軍勢は12柱の悪神たちの魂を石に封じ、再び奈落の世界へ追放した。


■魔界

奈落の世界は魔界とも呼ばれるようになり、悪神たちは魔神(デーモン)と呼ばれるようになった。


魔石に封じられた魔王たちは、その所在こそ知られていないものの、魔石の姿のまま魔界へ影響を及ぼし、彼らの思うように作り替え、多くの新しい魔神や悪魔(デビル)やもっと獣じみた魔物たちを生み出した。


魔界には凍りついた海、酸や血の池、瘴気の漂う湿地帯、キノコとカビの森、なにも無い岩山、不毛な荒れ地や砂漠などが広がっている。


■現在

それから数百年がたったが、人間界で生き残った悪の軍勢は復讐のために常に侵略の機会をうかがい、神々や人間の世界を滅ぼし、自分たちの支配下に置こうとしている。