エレとM. のシリーズ

グランフィナーレ⑨こちら👇

 

 

 『【エレとM.グランフィナーレー⑨】不倫相手の貢ぎ物は夫の借金だった。点と線が繋がる、残酷すぎる裏』いよいよ、エレとMグランフィナーレを届けします先日のエピソードを振り返してみましょう〜👇   『【エレとM.グランフィナーレー⑦】15年の貯金がゼ…リンクameblo.jp


 

 

 

前回の続き、グランフィナーレ⑩をお届けします。ウインク

 

いつも読んでいただきありがとうございます。

ぜひコメントで感想を聞かせてくださいね。ひらめき

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

激しい痙攣に襲われる手で、

宝石の小さな留め具を探る。

自分の皮膚を爪で掻きむしり、

無理やり金属を引き剥がした。

 

全身の力を指先に込め、

それを廊下の幅木へと

狂ったように叩きつけた。

 

黄金は、哀れな音を立てて

フローリングの上を転がった。

積み上げられた段ボールの、

その隙間に吸い込まれるように、

ただのブリキ板のように。

 

 

 

 

涙さえ、出てこなかった。

あるのは絶対的な氷の壁だ。

それが神経の末端を麻痺させ、

私からあらゆる感情を奪った。

 

「今朝のトゥラーティ通りで、」

私は機械のような正確さで、

ウールのコートを整えた。

 

「ロレンツォは怯えていた。

背後ばかりを気にして、

私立探偵がどうとか、

黄色い封筒の不気味な写真とか」

「全部、あんただったのね」

 

 

 

 

破壊されたデスクへと一歩近づき、

恐ろしいほどの透明な意識で、

夫という名の怪物を糾弾した。

 

「離婚の口実なんて嘘。

あんたがあいつを釣るために、

私という女を餌に使ったのは、

社会的に葬るためだったんだ」

 

マルコは冷淡に答えた。

 

「あいつのバックボーンは強固だ。

法廷の場で金を毟り取るのは、

何年もかかる不毛な戦いだ」

 

 

 

 

 

 

「だが、会長の愛娘との結婚生活、

完璧に塗り固められた評判は、

あの写真一枚で容易く崩壊する」

 

「あいつにとっては、

俺の貯金を返すことよりも、

その保身の方が遥かに大事だった」

 

私はゆっくりと頷いた。

数ヶ月もの間、見知らぬ

残忍なマキャベリストと

同じ屋根の下で暮らしていたのだ。

 

「それで、うまくいったの?」

声からはすべての熱が消え、

砂漠のような乾きだけが残る。

「どれだけの金を、

あの男から巻き上げたの?」

 

 

 

 

マルコは答えない。

ただ、冷徹なまでの静寂が、

回答の代わりだった。

 

「これから、どうなるの」

私の問いかけは、

虚無の空洞を通り抜け、

誰の耳にも届かずに消えていく。

 

奪った者と、奪われた者。

そして、その取引の

チップとして使われた女。

 

 

 

 

 

 

もう、戻れる場所はない・・・

私は黒いコートを

さらに強く握りしめ、

その後の地獄を確信した。