「「行ってらっしゃいませ。景吾様、奏様」」
「おう。」
「・・・・・はい」
私の名前は跡部奏<あとべかなで>。
氷帝学園中等部に入学して、何ヶ月かたったころ。
「じゃあな、奏。」
「はい。お兄様」
今教室へと向かうため別れたのは私の兄である、跡部景吾お兄様。テニス部部長で、目立ちたがりで・・・。決して悪い人じゃない。それは確かだけど。
ガラガラガラー
「・・・・・・・・・・」
私が教室の扉を開けると、辺りは無言、そして無音に包まれる。
”跡部景吾の妹なのだから、妹も面白いやつなのだろう”
クラスメイトは最初はそのように思っていたらしい。
だが兄とは対照的に、私は目立つのが嫌いで、静かなタイプ。
面白くないとわかったクラスメイトたちは近寄らなくなった。
(跡部様の妹のくせに。地味だよね)
(あたしが妹になりたかった~)
(面白くねーよな。アイツ)
皆、私の名前を呼ばない。
跡部と呼んだら兄と勘違いされる、という。
名前も、親しくなりたくないから、といって呼ばない。
もううんざりだ。
続くかも。
