こんにちは♪ フルーティストの岩下智子です。私たちの23日間にわたる世界一周の旅は、最終目的地であるニューヨークでクライマックスを迎えました。ニューヨークと言うと金融の街というイメージですが、私たちの目的は、世界最高峰の美術館巡りで、アートの奔流に身を投じるためでした。
メトロポリタン美術館
芸術の殿堂と摩天楼の輝き
まず足を運んだのは、「美の百貨店」と称されるメトロポリタン美術館(MET)です。膨大なコレクションを効率的に鑑賞するため、事前に念入りな予習を済ませていたおかげで、入館する足取りも驚くほど、すいすいと軽かったです。
この美術館の解説は、ここでするまでもなく、アメリカの富で世界中の名作が集められていて、これまでの中東、ヨーロッパの旅で観てきた美術の集大成がここにあるといったイメージです。とにかくすごいです!
中でも、どうしても観たかったのは、フェルメールで、代表作の「水差しを持つ女」をはじめとする5つの傑作。その静謐な光の描写に時間を忘れて見入ってしまいました。今までフェルメールの絵画を追いかけてきた私は、今回のを観て、世界各地の美術館に現存するフェルメール絵画30数点を、ほぼコンプリートしたかなという感じです。
楽器コーナーでは、トゥルーやベームなどの歴史的なフルートの名器を目の当たりにすることができました。
午後はセントラル・パークを散歩して一息つきました。高層ビル群の合間に広がる「都会のオアシス」を吹き抜ける風が、実に心地よかったです。NY街の移動には地下鉄やバスを駆使し、タイムズスクエアやブロードウェイ、そしてロックフェラー・センターといった名所を巡った。空を突き刺すような摩天楼の迫力には、ただ圧倒されるばかりでした。
タイムズスクエア
翌日はニューヨーク近代美術館(MoMA)を訪れ、ゴッホやマチスの色彩に没入。さらに、螺旋状の建築が美しいグッゲンハイム美術館では、再びゴッホやカンディンスキーの抽象世界を堪能しました。しかし、館内でのランチでは現実に引き戻されます。ドルの高さは凄まじく、値段は日本の2〜3倍。チキンサンドイッチとコーヒーでチップもプラスすると、3500円くらいでしたよ。
MoMA
グッゲンハイム美術館
夜はリンカーン・センター内のデイヴィッド・ゲフィン・ホールへ。グスターボ・ドゥダメル指揮、ニューヨーク・フィルハーモニックによるコンサートは、旅の疲れを吹き飛ばすほど圧巻でした。ニューヨークフィルの団員はアジア系の女性がほとんどでした。コンサート前に、名門ジュリアード音楽院を見学し、世界中の才能が集められているのを肌で感じることができました。
華やかな文化の一方で、街を歩けばニューヨークの厳しい側面も見えてきました。激しい競争社会を生き抜く人々は歩くのも話すのも速く、朝も驚くほど早い。ふと見上げれば、高層ビルの窓には空室が目立っていましたし、タクシーの運転手と会話を交わすと、彼は「生活は苦しい」とこぼしていました。きらびやかな景観の裏側には、深刻な格差社会が横たわっているようです。刺激的な芸術と、シビアな日常。その両面を併せ持つこの都市で、私たちの23日間にわたる長い旅は幕を閉じました。
イスタンブール、アテネ、プラハ、ウィーン、ミラノ、そして、ニューヨークと巡り、新しい世界を垣間見、各都市、人々からたくさんのインスピレーションを得ることができました。最後まで私の旅日記にお付き合いいただき、ありがとうございました。
岩下ともこ