今日は「ワース 命の値段」です。
【あらすじ】
9.11アメリカ同時多発テロ後の遺族や被害者を
救済するための補償基金プログラムの特別管理人
となった弁護士のファインバーグ。
独自の補償金を算出する計算式を考え、
初めての説明会に挑むものの、
事務的に進めようとする彼の態度が遺族たちの
神経を逆撫でする。
法案成立の期限までに対象者7000人のうち
80%の参加を目標としていたが一向に
集まらないことで、彼が打ち出した施策とは?
【心に残るセリフ】
「ほしいのは言葉じゃなく、
変化だ」
弟を亡くした消防士の男性の言葉。
消防のシステムの不備と業務改善のために報告書に記載を依頼するが、ファインバーグが対処するという言葉だけ返答した時のセリフです。
私も会社で経験あるなーというやりとりでした。
聞いたら完了みたいなね。そっから動いてほしいんですけどというフラストレーション。
ファインバーグの立場上、軽い約束はできないので、この返答が正しいのだろうけど、進まない苛立ちに当事者にとっては辛いものがあります。
【ここから感想、ネタバレ】
補償基金プログラムの特別管理人というのは、
かなりの重積と思われますが、
最初の説明会の遺族との意識のズレ具合が
なんともお粗末なことに
補償金は残された人やまだ症状と向き合ってる人にとって前に進むためには必要なもの。
だけど該当者の収入などが考慮され計算されることに、個々に金額の違いがでること、そしてそれで終わりになることに納得がいきません。
大切に思ってきた人の金額なんて、
いくらだったらいいなんてありませんよね。
そこで、どうしようもなくなったファインバーグが説明会で助けに入った参加者ならと思って相談したところ、実は全くこの施策に納得していない反対者であることがわかり愕然とします。
このまま目標人数に達しないと、そもそも
補償金を出すプログラムの法案自体が不成立になってしまう。
そこで、対象者にただ勧めるのではなく、
話を聞くことを提言され、一人ひとりの話を
手分けして聞く決断をします。
生前のお話や悲しみなどの胸の内を聞き、
補償の説明をする。彼の事務所には少しずつ
亡くなった方々の遺品が託され増えていきました
それでも目標人数に達することはできず、
不成立のサインをしようとするところで、
思いたち、サインを断って事務所に戻ると、
大勢の対象者が押し寄せてプログラム成立に
至ります
人が前に進むためには金銭面など現実的なものも
必要だけど、それだけでは足りない。
その人たちを受け入れ寄り添うことで、
閉じてしまった心をもう一度生きるために開く。
それも生きるために必要なこと。
それは途方もない大変さがあるし、
そこまですることが仕事なのかとか考えて
しまうとできることじゃない。
どこまでやるのかということは、
どの現場でも課題になるところだと思います。
だから、それを進めていけたことは、
素晴らしいと思うのです。