私が入所した施設は
子供達のメンタルサポートが
とても充実していた
1週間〜10日に1度
カウンセリングが必要な児童には
カウンセリングの時間が設けられる
私にはカウンセリングの
時間があった
担当の先生がそれぞれに付き
カウンセリングを受ける
私の担当の先生は
若い女の先生だった
私は最初のうちは
このカウンセリングの時間が
大嫌いだった
きっと昔母に連れられて
受けたカウンセリングが
トラウマになっていたのだと思う
心理カウンセリングといえば
嫌なイメージしかなかった
それが
回数を増すごとに
私は担当の先生に徐々に
心を開くようになっていた
そして
むしろ毎週のカウンセリングの
時間が楽しみになる
カウンセリングの時間は
1回1時間〜1時間半
綺麗な個室に
絵本や玩具が沢山あって
自由にその子が
したい事をさせる
先生はその行動や言動を見て
その子の今の心理状態を読み解く
決して何かを強要する事はなく
その時間は自分の好きな事をしていい
時には先生と1時間
話をするだけで
終わる日もあった
先生は
はじめのうちは
自分が
なにをすればいいのか
したい事がわからない私に
とても親身に
私の好きなことや
興味のあることを
聞き出してくれた
私が音楽を聴くのが
好きだと言えば
先生は私の好きな歌手の
歌をテープにダビングして
持ってきてくれたり
次は歌を歌いたいと言えば
ハンディマイクを
準備してくれたり
私のやりたい!を
決して否定することなく
全てを叶えてくれようと
してくれた
私が小学校を卒業するまで
その先生は
ずっと担当してくれた
卒業する頃には
私はすっかり先生には
心を開いていた
とはいえ
私は特定の
先生にしか心を開くことが
できなかった
生まれてから
ずっと
誰かに
自分の感情を
表現したり
伝えたりすることが
できなかった私は
この施設で
学校の担任の先生や
カウセリングの先生の
サポートで
心を開いてもいい
自分の欲求を伝えたり
表現していい
ということを
教わったのかもしれない