私が入所した施設は
建物内に学校があった


一応その地域の
小学校の分校となっていて
運動会や遠足などは
本校の子供達と一緒に参加する




階段を降りるだけで
すぐに学校がある

各学年
3人〜5人ぐらい
1.2年生だけは合同のクラスだった

私の担任の先生は
ベテラン感のある
おばちゃん先生


私は先生の事が大好きで
私にとって先生は
お母さんみたいな存在だった
いつも生徒1人1人と
ちゃんと向き合ってくれた
この先生は
私達が卒業するまで
ずっと担任を受け持ってくれた

勉強はというと
できない子が多いから
みんなに合わせながら
かなりのスローペースで進む




入所して
しばらくすると
私もだんだんと
施設の生活にも
学校にも慣れてきた

4年生の終わり頃に
施設に入所して
5年生に進級して
しばらく経った頃からだった

私は事あるごとに
イライラとしていた
何故イライラするのかは
わからなかった

反抗期だったのかな?

私がイライラするのは
何故か学校にいる時だけ
私は先生に
甘えていたのかもしれない

そしてそのイライラの
表現方法や伝え方が
わからなくて

私は授業中でも
関係なく
イライラしだすと
何故か
自分の机の中や
ロッカーを突然
片付けだすという癖があった




今思えば
誰にもぶつけようのない
イライラを
片付けることで
落ち着かせいたのかもしれない

何かに腹が立つと
決まって
机の中や
ロッカーの物を
全部引っ張り出して

整理整頓をする
そしてその後は
なんだか気持ちが
スッキリして
また席に着く

実はこれは
私自身気がついてなかった

ある日
また私がイライラして
整理整頓を始めようとした時

先生が
ニコニコしながら
「さぁ。いつものお片付けが
始まったよー!」

と言った

そして
私はその時初めて
自分の行動パターンを知った


それまで
幾度となく
繰り返してきた行動

先生に言われて
初めて気がついた

そして
私は先生が
それをずっと知っていて
何も言わずに
黙って見ていてくれたことが
とても嬉しかった

私はその日から
イライラしなくなった
そしてもちろん
整理整頓もしなくなった




今まで
自分の感情を
出すなんてことを
してこれなかった
私にとって
担任の先生は
初めて心許せた
大人だったのかもしれない