翔「……泣くなよ。」

「……っ。」

翔「俺はさ…」

ごめんね泣いちゃって

こんな女に、振り回された翔くんは………

翔「また会いたかったから」

………

…………

翔「だから…最後みたいなことはしたくねぇっつか…。」

「…。」


…なにを言ってるのか

何を言われてるのか

理解できなかった。

理解できない事が起こってることすら理解できなかった。

……会えるの?

「……えっ…と。」

翔「…あー…ごめ、困らせるつもりなかったんだけど」

「え?……。」

そうじゃない!

困ってなんかないよ!

そういう前に翔くんは、眉を下げて笑った。

翔「わかった、じゃあ……な。」

そう言って。

夜仕事だって聞いたよ…?

もう行っちゃうの?

まだ外は明るいよ、もう仕事なの?

店を出た翔くんは帰って来ずに

あたしは取り残された。


なんで言えなかったんだろ。

ちがうよ、困ってなんかない

あたしもまた会いたいって

翔くんは少なくともあたしといて

楽しいって思ってくれてた。


だからまた会いたいって…

まだ夜にはならないんだからさ

お願い、戻ってきてよ