◎ 人間はあらゆる個性、あらゆる才能をその内に可能性として内包していながらも、なおかつ、そのいずれかが突出しているものである。それをその人の個性といい、その個性の突出した部分を最大限に尊重し、伸ばしてゆくのがその人の使命であるといえる。


 しかし、ここで忘れてはならないのは、その突出した個性を尊重しながらも、他の部分もまた伸ばしてゆくことを忘れないということである。そのためには、他の個性が突出している人から学ばなければならないし、その個性を尊重してゆかなければならない。この学び合いのためにこそ、様々な所において、それぞれの突出した個性を持つ者同士が、その多様性を展開しながら存在しているのである。


 故に、そのように様々な異なる個性を創造された天の御心を尊重するならば、自分とは異質の個性を嫌わずに、また、それが故に争ったりはせずに、お互いにお互いの長所を尊重し合い、認め合った上で、異質であるということは、それ自体がその人が自分がまだ磨いていない何か優れた資質を持っているということを意味しているのであるから、その点を積極的に学び合ってゆくということが大切なのである。



◎ 人は誰でも何かの部分において自分より優れたものを持っているはずであるし、すべての人間よりすべての面が優れているような人間もいないはずである。だから、すべての人がすべての人からそれぞれに自分より優れた部分を尊重し、それを学んでゆこうと考えたならば、そこに、個性の違いによるあらゆる争いは消え、個性の違いに基づく最もすばらしい形での愛の理想郷が生まれてゆくであろう。



◎ 個性を尊重することは協力と学びを生む。すなわち、そこから協調と進歩が生まれる。すべての人間を調和進歩の関係に導き、すべての国家、民族、文化、文明を調和と進歩の関係に導くことこそ人類最大の使命であり、そこにこそ、地球最大の理想郷が生まれてゆくのである。

 

 

 

 

 

 

 

    天川貴之

(JDR総合研究所・代表)