3月31日(火) 今やただの遊び人と成り下がった?とーちんの小野湖5連戦の4戦目です。

 

昨日、これ以上ないくらいのショボイ釣りをしてしまいましたが最後の最後、破れかぶれのカチコチエサが小野湖攻略の糸口を教えてくれました。この日は自分の考えが正いかどうか?それを確認する釣行です。

 

前日の夜。ホテルから石井さんに電話します。「エサを硬くしたらマブ入れパクから急にへらに変わったんだ。何でだと思う?」「エサ硬くしたからへらが来るってことはないだろう」「そうだよね。でも急にマブが来なくなってへらに変わったんだよ。何かこういう経験したことないか?理由知りたいんだよ」「そりゃーあなたが釣りをしたそのダム湖のへらが硬いエサが好きなんだろうなグッ」う~~ん、俺としたことが。相談する相手が間違ってたわ笑い泣き

 

昨日は張り切って朝ご飯も食べずにホテルを出ましたが今日は朝ご飯を食べてから出発。誰も居ないと思っていたら先着者が居ました。

挨拶しましたが何かそっけない。所詮自分は余所者。こういう時はそこそこに会話を切り上げそばには入らないようにします。だってこんな広いリザーバーでへら師はたった2人しかいないんです。どこでだってやれますから。望まれてないのにくっついてやろうとするのは愚かな行為です。

 

さあーて、それじゃあどこでやるか?

 

昨日より少しだけ減水しています。川は昨日型が小さかったと聞きました。減水しているこの日は条件が悪いと判断します。本湖(と言うか広いところ)の昨日は型が抜群。やっぱり夢があった方がいい。やるなら本湖。橋の手前の階段は売り切れ。なので島の前に入ることにします。

 

島の前の階段で15尺。水深を測るとやはり昨日の場所より50cm位深い。水深があるので底から30cm切る宙で始めます。朝はべた凪。

 

開始20分でマブ。でも続きません。それから10分後。

やったよ。2匹目でへらハート やっぱり硬いエサなんだ。自分の考えは間違っていない。それにしても良くこの硬いエサを食ってくるよ。不思議?

やっぱりちと小さい。目指せサイズアップ。目指せ尺半。それでもたった30分でへらを釣ったことで気分はイケイケ。

 

しかしいかんせんエサは硬い。なのでカラがキツイ。何とかしようと試行錯誤しているうちに左から風が吹き出します。

左からの風が吹き出すとウキはあっという間に右に流れていきます。自分の許容範囲を超える流れ。アタリもなくなります。「ダメだ。ダメと思ったら速攻移動だ」左側の奥が風裏になっているのが見えます。さっさと片して移動。階段は移動が簡単。

初めて入る左奥。今まで入らなかったのはここは混雑しているから。休日は北九州からの例会組がいつも早朝から等間隔で入っていました。

ここでは16尺を出してみます。水深を測ると島の前よりまた深い。2m位はある。「ここって深いんだ。浅いと思っていた。風裏にもなるしだから人気があるんだ」下バリトントンで11時からお昼の部開始。

しかしここはアタリが遠い。エサが底に着いているのにマブもアタリません。1時間打ってやっと1個目のマブが来ます。しかしマブも大してアタらない。「魚薄いなー」と思っているとウキの下から泡付け。「おおっ」と思っているとツンと入ってへらが来ます。

ガリだな~。小野湖にこんなの居るんだ。大丈夫かお前、病気じゃないか?

 

この後もアタリません。そうこうしているうちにここも突然左に流れるようになります。「何だ、急に。こんなに流れちゃ無理だ」島の前を見ると波立っていません。「こりゃもう1回あそこに戻ってやろう」即決!2回目の移動。

 

3時から再び島の前で午後の部開始。今度はさっきの16尺で。下バリトントンでのスタート。

 

すると2投目にアタってマブ。

「やっぱこっちの方が全然魚が濃い」その後もアタリっきり。「左奥より全然魚っ気がある。この辺に居るんだ」この後もう1枚マブ。でもウキは落ちついています。「やっぱり硬いエサだ。ウキが常に落ち着いている。これなら釣れるよ」

 

でもなかなか釣れてきません。カラが多い。ただウキの動きは抜群。釣れて来ないのが不思議な動き。ここで何やっても食ってこないのでさらに硬くして一回り小さくして打ち込みます。

 

すると長々とモジモジしてから2節ツンと入ります。「やっぱり硬いエサだ」そう思っていると掛かった魚はやたら重たい。水面に上げてくるとなんとへらのリャンコ。「おおーっ」と喜んだら1つ外れます。「外れたのはどっちだ?大きい方か?わかんないや」残った奴はゲット

おおっ、お前はまあまあだな。魚体はとっても綺麗。ヨンサンくらいあるかな?下バリは切れてる。逃げたやつほうがデカかったのかあ?1号切られた。リャンコに慣れてないのでミスったーえーん

やっぱりヨンサン。いいよいいよ、今日の俺は昨日の俺じゃないぜグッ

またリャンコ、と喜んだら今度はマブのリャンコガーン

風は完全に止みました。流れなければ今日の俺は釣るよ。ちと小さいか?

サンロク。釣り方はわかったけど大きいやつを釣る釣り方がまだわからない。居ると思うんだけど...。

ちっちぇー。

サンゴ―。

これも小さい。カッコはいいけどね。

やっぱりサンゴ―。


これはちょっと大きい。ヨンジュウあるか?

ヨンジュウ。このくらいのが来れば満足。

 

終了間際の6時。偶然ある発見をします。ここまで釣れてはいますがそのメカニズムが全く理解できていません。ただ「硬くすればへらがアタる」というのがわかっただけ。軟らかいとなぜだめなのかわかりません。また硬いだけにカラが多い。そこが今一合っていないと感じます。H氏は入れパクだったから。

 

この日のエサ使いは元エサを硬めに作り、そこから3分の1を取り分けてそれに藻べらを差し込んでさらに硬くするというもの。

ちょうど硬くしたエサを打ち切り、残りは1個分だけ。この時のウキの動きはもう最高潮。ウキの付け根からウリウリでなじんでいき動きが止まることなくどこかで「ドカン」と入ります。アタリを出しているのが全てへらだと判る状態。

エサが間に合わないので下バリに最後の硬いエサ。上バリにはまだ藻べらを足す前のエサを大き目にしっかり付けてセット気分で打って見ます。足す前と言っても自分としては十分「硬い」と思うレベルですなんですが...。

これを振り込むとやはりいつもよりなじみが2節甘い。それでも4節なじみます。トップはそこで堪えているのですがいくら待ってもアタリはおろかさわりすら出ません。これを見た瞬間に気が付きました。

元エサを少しだけ分けてから藻べらを差し込みさっきと同じくらい硬くします。この硬いエサを打つとすぐになじみからさっきのウリウリ状態に。3投くらいこの状態を確認してからまた上バリだけ甘いエサに。

するとやはりなじみが甘く、トップはなじんでいますが全く動きません。同じ確認をもう1回しました。

 

「わかったー。わかったよ」この偶然でとうとう小野湖でへら鮒を釣るためのメカニズムがわかりました。

 

硬いエサがいい訳じゃあないんです。肝心なのは「上で拡散しないエサ」という事。水面からぶら下がる位置にくるまでエサの拡散がない(少ない)と言うのが絶対条件なんです。粘りだけじゃダメなんです。粘りはずいぶん付けましたが効果なし。軟らかいエサだとどんなに粘らせてもなじみが浅くなる。ここにはジャミがいっぱいいます。軟らかいと粘らせてもジャミにつつかれ上で粒子が拡散してしまうのです。粒子が上で拡散するとたった1mしかない水深に居るへら鮒がみんな上を向いてしまうのです。これを上ずりと言うのかはわかりませんがみんな上を向いてしまうのでエサ玉はそこを通過してしまい下に居るマブの餌食になる。上で全く拡散しないエサだとへらがそれを追いかけて下を向くのでマブが混じってもへらが釣れる。これがたぶん小野湖のへら鮒釣りのメカニズム。間違いないでしょう。管理の“抜きセット”と似てる。どの位置からバラケさせるか。オモリの位置より少し下くらいがベストかな?それより上からバラけるとへらのアタリが全く出ません。そのあたりの調整がうまくできる人がへらだけを釣ることが出来る。ちょっと驚きます。たった1mちょっとのタナしかないのにちょっとでも上で開くとさわりすら出ないでマブ入れパクになるんですよ。

常連さんたちのエサはみんな小さい。自分から見て「そんな小さなエサでどうやってこんな広いところで魚を寄せるの?」と言う大きさ。配合は見ているとグルテンの比率が多い。半分近く入っている感じ。不思議なエサ使いだと思っていましたがさっきの理論に当てはめると理にかなっています。グルテンは上で開かないのが長所でもあり短所でもある。上で開かないエサをオモリの位置より下でどのくらい開かせるかがここでのエサ使いのキモ。硬いのがいいんじゃなくて上で開かないのがいいんです。やっとわかりました。自分は小野湖で亀山湖のエサを打っていました。そりゃー釣れる訳ないですよ(笑)

 

もやもやしていたものが一気に晴れました。最後の一塊のエサで最後の1枚。

これは重たかった。ヨンジュウくらいかな?

やっぱりヨンジュウ。でも腹パンが凛々しい。

 

*************************************************************
とーちんの仕掛けとエサ
ポイント:島の前の階段、左奥寄り
水 況 :満水(濁り)
竿     :15、16尺
釣り方 :底釣り(30cm切りから下バリトントン)
道糸  :2.0号
針     :上 15号 下 15号
ハリス :上 1.0号 40cm 下 1.0号 50cm
う き    :至道野釣りスペシャル9号(パイプトップ仕様)
エサ   :マッシュ・400cc マッシュダンゴ・200cc 尺上・50cc 水・500cc 藻べらで調整
*************************************************************

 

風流れで途中移動しましたが釣りはまあまあの内容。大きいのが出ませんでしたがそれはたぶんエサのせい。硬いだけでは大きいのは食ってこないんじゃないか?

夕方4時くらい。朝、橋の手前でやっていた人が上がって帰りに寄ってくれました。「どうだい?」と聞かれたので「釣れませんよ、まだ4枚です(この時はまだ4枚だったんです)」「そうかあ、ちょっと一服だな」「何枚出ました?」と聞くと「10枚。46.5が出たよ」と。

ありゃりゃ、やっぱりだ。あの場所は依然大きいへらが着いてるんだ。この4日間で3日ヨンロクが出てる。出なかったのは俺が入った日だけだ(笑)たぶん島の前も同じだ。大きいのが釣れないのは俺の腕の問題だなえーん

朝はそっけなかったこのおじさん。いろいろ教えてくれて最後は「またやりましょう」と言ってくれました。余所者が4日も居座って大変申し訳ない。いいポイント押さえて全然釣れないんですから(笑)いい迷惑ですよね。

 

そう言いながら「明日は最終確認のためにどうしてももう1回やりたい」明日は朝から雨。しかも10時くらいから北の風8mの予報です。「やればずぶ濡れ間違いなしだけど誰も来ないだろうし最後だからやって行こう」ただ硬いだけではなく「上で開かない、タナで緩む」エサを目指す。そうすれば3時間くらいでも十分釣れるはず。自分の為、自分の理論の証明のために。